声の仕事をしたい人のためのざっくり相場まとめ

コロナ関係で移動や外出の制限が増えると、お金稼ぐのも大変という人も増えるわけで……

緊急的に声の仕事の相場について記事を書くことにしました。

と、言っても私が関わっているのはごく狭い同人音声界隈やクラウドソーシングの世界であり、開示できる情報はほんの一部になります。

持っている技術や知識、機材、営業力、活動スタイル、関わる業界によって大きく変わるため、あくまで目安にしか過ぎないことに注意してください。

大前提:人によって依頼に対する哲学や戦略が違う

相場の情報の前の大前提なのですが、人によって依頼に関する考え方、哲学、戦略が異なります。

たとえば、ベテランであっても諸事情で仕事を安く引き受けることもあれば、スケジュールが過密となって見積価格を上げることもあります。

安く大量に仕事を受けて実績を積み、実績ができたら価格を上げるといったブランディング戦略をとる人もいます

相場の目安はあくまで目安にしか過ぎず、絶対的な正解はないことに理解が必要です。

強いて言えば、クライアントの満足を引き出し、結果を出せれば成功です。

基準がコロコロ変わると信用を失うこともあるため、ある程度の信念や根拠を持って価格を設定し、必要に応じて見直すことも重要になります。

ざっくり声の仕事の相場

同人音声界隈、クラウドソーシングの世界では1文字あたりの価格で依頼料の換算が行われるのが一般的です。

これは、料金がわかりやすいため

ライター界隈でも文字単価は良く使われ、1文字当たり○円、○文字、合計○円といった計算で発注が行われることがあります。

現状、私が把握している相場の感覚はこんな感じです。

・クラウドソーシングなどの外注 1文字1円未満

・声の仕事を始めたばかりの人 1文字1~2円

・ネット声優、同人声優 1文字2~4円

・売れっ子のネット声優・同人声優 1文字4円~8円程度

・商業声優(プロ) 10円前後

この文字単価に加えて、最低受注価格が設定されていることが一般的です。

文字数が少なくても収録に必要な準備、設定、打ち合わせなどが発生するため余り価格が安かったり最低受注価格が低いと、働くほど消耗する事態になりかねないからです。

「文字単価○円、最低受注価格3000円(文字数が少なくても3000円の支払いが発生する)」

とかですね。

これにくわえて、リテイク回数などの諸条件を考えて料金を設定することになります。

リテイク回数や演技のOK、NGなどは事前に設定

依頼料金の設定で重要になっているのが、リテイク回数やOK、NGの演技の範囲がどこまでになってくるかです。

たとえば、リテイクなしと、リテイクが1回では収録にかかる手間が大きく変わります

また、演技に事前の指定がないのにリテイクを求められれば、それだけストレスがたまりやすくなります。

求められる演技が何で、顧客の求めるものが何かは事前に確認しないとすれ違いやすいのがポイントです。

そのため、

「無茶振りされてもリテイクでカバーできるように文字単価を高めにする」

「事前のヒアリングに時間をかけてリテイクは追加料金にする」

「リテイク一回のみ料金に含める」

など、差別化のポイントになります。

また、激しい感情表現、効果音などの演出、アダルトな表現の有り無しなど価格に影響する要素は様々です。

出来ること、出来ないこと、料金で可能な範囲をしっかりと示すことは非常に重要で、相手の判断に委ねずに自分で考えて決めないとフリーランスとしてやっていくのは難しくなります。

スタジオ対応や機材なども影響する

声の仕事をするということは、音へこだわるクライアントと関わる機会が増えるということになります。

自宅に十分な収録環境があるかどうかはクライアントにはわかりません。

また、求める音質が自宅収録(宅録)で可能な範囲とも限りません。

そのため、スタジオに出向いて収録が出来るのか、宅録のみなのか、どんな機材で収録をしているのかも相場に影響してきます。

スタジオ収録が可能な場合は、文字単価だけでなく作業量から追加料金が発生することや、スタジオ対応料金が別に設定されることも珍しくなくなります。

機材の場合、どんな機材を使っているも重要です。

バイノーラルマイクの有り無し、サンプル音声の良し悪しで対応できる仕事の幅が大きく変わります。

宅録などに絞る場合は話が別ですが、声の仕事だけで生きようと思った場合、覚えることは増えることになります。

ファンの数や実績、本業とのバランスでも価格はかわる

文字単価はファンの数や実績によっても大きく変わってきます。

たとえば私がよく関わっているVtuber業界の場合、既存のファンが仕事を喜んでくれるかというイメージの問題も出てきます。

自分のブランドに影響する部分になるため、価格を上げなければリスクに見合わないことも多いからです。

別名義を使って仕事を請けることで、受注価格や全年齢・青年向けの仕事を調整することも可能です。

当然、実績がある人ほど価格が高くなります。

声以外の仕事の影響を受けるケースもあるため注意が必要です。

これは「声の仕事よりも本業の方が儲かる、あるいは本業が忙しいため声の依頼は価格を上げないと割に合わないケース」があるためです。

発注する側の都合だけでなく、受注者の都合でも価格が変わるのがフリーランスの世界です。

期間限定で安く受ける特急料金などの付加価値で高くして受ける、など、人それぞれスタイルがあるので売り方工夫することも大切です。

文字数以外の価格設定方法もある

当然の話ですが、スタジオ対応や、収録するボイスの量が多いゲーム音声の収録、ラジオ出演など、文字数での価格換算が難しい仕事も数多く存在します。

この場合は依頼をこなすのに必要な時間、労力から自分にとって割に合う価格などを計算し、提示するのが基本になります。

もちろん、実績を積むのを優先して安く受ける、リテイクや想定外のトラブルで作業量が増えることを想定して高めに設定するなど匙加減をするのも自分です。

作業量から完了にかかる時間の目安を出し、必要な技術やの希少性、専門性などを踏まえたうえで時給や日給で換算し、様々な案件に対応できるようであれば一人前と言えます。

また、演技内容に関するコンサルティングや、音声の加工、台本の作成、アドリブ能力、作品のプロデュースなど、自分が持っているスキルによって価格が大きく変わることにも注意が必要です。

これから声の仕事をしたい人へ

声の仕事と一言で言っても、ライブ配信や動画投稿、ナレーション、同人音声作品、アプリ、アニメなど、様々な仕事があります。

仕事を請ける以前にどんな人かわかりやすく、宣伝広告も十分に行っていなければ自分で営業しにいって仕事を取るしかないので、実績作りやサンプル音声作りは重要になってきます。

自分でホームページを作って音声のサンプルをおいたり、YouTubeなどに音声動画を投稿するのも方法です。

YouTubeで再生回数が取れるのであれば、それを武器にして営業をすることも出来ます。

YouTubeやライブ配信の収入で生活費を稼ぐことを目標にすることもできます。

文字単価などの相場を覚えても、自分に仕事が回ってくる環境をつくるか、営業を行わなければお金を稼ぐことは出来ません。

待っているだけでは仕事が回ってこないのがフリーランスなので、行動すること、作品を作る、関わることは重要ですよーということで。

なお、私自身音声チャンネル運営して仕事のVtuberやアマチュア声優に仕事ふったりすることもあるので、興味がある方はお声掛けください。



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