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料金表があると○○が増える! クリエイター・フリーランスのための料金表入門

クリエイターとして収入を得ようと思った場合、どうやって依頼を受けるかが課題になってきます。

全て見積もり……というスタイルでもいいのですが、より安定性を確保したい場合は料金の目安となる料金表が必要になってきます。

料金表をどう作るのか、どこに置くかで依頼がくる確率も関わってくるので、特にこれから活動しようとする人のための入門的な情報をまとめてみます。

依頼者のほとんどは相場がわからない!

なぜ料金表が必要になるかと言えば、依頼者のほとんどは相場がわからないからです。

仮に相場がわかっても、個人によって金額の差があります。

するとどうなるかと言えば、

「予算○○円しかないんだけど、問い合わせだけで迷惑になるんじゃないか」

「ファンだけど、金額が足りなかったら嫌われないか」

なんて不安が先に来ることが多くなるのですよね。

企業であればビジネスと割り切れますが、個人を相手に依頼を受ける場合は依頼者の不安を少しでも減らす工夫をしないと

依頼が月一件も来ない

というのがザラになってきます。

様々なルートで依頼が来る人脈が構築されていて、営業不要な状況が出来ている場合を除き、人が依頼しやすい「入り口」を作る感覚で料金表はあった方がいいのです。

問い合わせ自体が負担になるようであれば、「見積もりのみ」「依頼は企業からのみ受付けています」「○月以降の納品分だけ見積もり対応します」など、制限をつけて依頼を受け付けるのが基本になってきます。

料金表はサービスがどこまで入るかで違いが出る

さて、料金表を作るとなった場合に何を目安にすればいいのか…

となると、すでにサービスを提供している人の料金表を参考にするのが基本になります。

私はVtuber界隈に関わることが多いのですが、特にイラスト・Live2D関連は作成の手間や著作権の関係上契約が複雑になる傾向があります。

たとえば、モデルの可動範囲、パーツの多さ、グッズ化も含む商用利用がOKなのか、Live2Dの可動域を広げるために他のモデラーに依頼するのはOKなのか? パーツの追加などの改変もOKなのか…

イラストはイラストレーター、Live2Dの動きはモデラーに権利があることが一般的なので、別々に依頼する場合はハードルになる場合があるのですよね。

そのため、Vtuberのモデルを依頼する場合は

「パック料金」+「オプション料金」

が採用されることが一般的になっています。
ブランドがしっかりと確立している場合や、価格が高めのパックの場合は「オプションは全てつく前提」になっていることもあります。

料金が高いと料金表経由の問い合わせ件数も減るので、バランスに苦慮する人は多いです。

一方で、魅力を感じる人がいれば多少高価であっても依頼がきます

基本料金を安くしてオプションをつけるとどんどん値段が上がる形式にすると、作品発表の機会が増え、実績も積みやすくなります。

ただし、交渉の手間などのやりとりも増えるため、作業に集中したい場合は事前に範囲をまとめた上でパック販売をした方が楽です。

依頼が多過ぎて手が回らない場合は価格を上げるといった後々のバランス修正や、期間限定の割引キャンペーンなどを利用するといった工夫を織り交ぜつつ運用するのがおすすめになります。

ちなみに、Webで活動するライター、同人声優界隈だと1文字当たり○円といった換算で予算の提示が行われることもあります。

難易度やR18可か、納品・収録方法などによって1文字ごとの単価が変わったり、追加料金がかかったりもします。

見積もりの場合は見本になる作品を提示してもらって、「このレベルなら○円」といった方式で見積もりを行うケースもあります。

料金表をどこにおくかで宣伝効果がかわる

さて、料金表を作ることにしたとして…どこに置くか? も大切だったりします。

Twitterの固定ツイートから依頼してくれる人、ココナラやSKIMAで検索する人、HPまで来て依頼してくれる人…

それぞれ層が異なります

簡単に分類して見ましょうか。

固定ツイートの場合

Twitterの固定ツイートは、イラストなどの作品がRTされたり、発言が目立ったときにチェックされることが多くなります。

人目につく機会が多い一方で、積極的に探してたどり着いてくれる人の割合は少なめになります。

ツイ廃、フォロワーが多い人におすすめの宣伝方法で、手軽に利用できることから自分のサイトへの誘導とセットで行われることも多いです。

ALuluさんのツイート例。
固定ツイート以外にも、料金の目安などを提示→自分のサイトに誘導するといった手法をとると問い合わせ件数が増えやすくなります。

織部ビートさんのツイート例。
サンプル動画と価格表を2ツイートにわけるなど、工夫がしやすいのも特徴。

ココナラやSKIMAなどで販売する場合

目的があって、予算やキーワードから絞込みをかける人が多くなります。

検索からの流入が見込めるので、料金表やプランを作っておいて置くだけで営業になります

価格ベースでチェックする人も多いので、

イラストの場合は

・Twitterなどのアイコン

・全身イラスト

・全身+背景

+オプションで商用利用権(グッズ化、配信などの利用)、表情差分

で分けられていることが多いですね。

Live2Dモデルは

・企業の社内プレゼンなどを前提とした商用利用なしプラン

・Vtuber活動を前提とした商用利用ありプラン(グッズ化・YouTubeでの収益化可対応、ギフティングが受けられるプラットフォームでの利用)

・高可動モデルや全身可動、表情差分多めなどの高級プラン

3価格帯くらいにわけておくと人目につきやすくなります

価格安いプランでもオプションで補う形式にすれば、受注繋がる率あがったりするので。

なお、価格安すぎるとクオリティ疑う企業の人がいたり、常識ない人の問い合わせや契約トラブルでムダな仕事が増えたりするので…バランスですね。

手数料がかかりますが、料金トラブルをある程度回避できるので好んで使う人もいます。

フリーのイラストレーター・モデラーの鳥島いずみさんの例。
専業・セミプロのクリエイターとして活動している人のページを見ると情報が充実しているのでわりとおすすめです。

個人のHP(Webサイト)の場合

自分を知ってくれている人、作品を知ってくれている人が来ることが前提になります。

ブランドが成長すればブランド名などで検索してたどり着く人もいますが、誘導するのが難しいのが特徴です。

ただし、過去の実績表示や、動画での解説など料金表とセットにできる情報量が多く、自由度が高いのがメリットになります。

Twitterの例で紹介した織部ビートさんの場合、男性V用のブランドページも持っていたりします。

オーダー製で見積もり対応だけであっても、製作の流れやスケジュールがわかるだけで依頼のハードルが下がります。
料金表の話とは若干それますが、依頼のフローをHPにまとめて受注増を目指すという方法もあります。

わかりやすく製作の流れをまとめてあるののん。さんのHPがこちら。

どの場所に料金表を置けばいいの?

どんなペースで仕事をしたいのか、何を目指すのかによります。

趣味的に受けつけているだけであれば、自分がメインで活動したいと思う場所に置くだけで問題ありません。

仕事にしたい、少しでも稼ぎたいとなれば複数場所において、自分が一番仕事をしたい場所に誘導していくのがおすすめです。

SKIMAなどに料金表を置いても、Twitterに誘導してTwitter経由で信頼を得手から受注に繋げる、HP(Webサイト)に誘導して、直接取引に持ち込むといった手法が取れるからです。

ココナラやSKIMAで実績を積んで、実績をベースにTwitterなどで宣伝を行って顧客を掴むという手法も存在します。

料金表設置の解説でも少し触れましたが、プラットフォーム利用手数料がかかる場所は、料金未払いなどのリスクが低くなりますが手取り金額が減ります。

自分で交渉して契約する場合は手数料などがかかりませんが、料金トラブルや著作権トラブルを意識しておく必要があります。

専業を目指すようになると、交渉の手間や、万が一トラブルが起きた際にも対応できる余力を残すための価格設定が必要です。

価格安いと著作権や人件費に関する意識低い人や学生が多くなるのでトラブル増えたり、高いと稼げる人相手になるのでトラブルが減ったりします。

未払いトラブルを防ぐための工夫もセットになりますが、お金稼ぐってシビアなことでもあるので…

いかに効率的に受注し収入を増やせるかで、生活の安定性や創作活動に集中できるか、ストレスを感じるかが変わってくるわけです。

副業で行う場合も本業・プライベートへの影響を考えてバランスが取れればプラスになります。

全てを一度にやる必要はない

とまぁ、いろいろ書いてきましたが、全てのことを一度にやる必要はありません

当たり前といえば当たり前のことなのですが、プロの料金表はと注釈・オプションは様々な試行錯誤で得たノウハウが詰まっています。

どこに料金表を置くかといった営業方法も含めてノウハウなので、駆け出しの人間が一度に全て真似るのは不可能です。

ただ、コツコツ真似て、改善していくことはできます。

すぐにお金を稼がなければならない…というシビアな事情があれば話は別ですが、まずは料金表や依頼用のページを作って、できるところからはじめると楽ですよーと。

人によって活動プラットフォームや客層、価格帯との相性が分かれたりもするので、自分なりの改善を地味に続けて、長期視点で挑むのがおすすめです。

じゃないと、続けること自体が難しくなってしまいますから。

おまけ1・フリーランス向けの仮払いサービス

一応、料金トラブル防ぐためにフリーランス向けの仮払い(エスクロー)ができるサービスも紹介しておきますね。

報酬の未払いや一方的な減額を避けるために、一度仮払いを受けて、仕事が完了したら報酬を受け取る仕組みです。

SCROW
https://scrow-inc.com/

大手クラウドソーシングサービスが5~20%程度の手数料を設定している中、手数料3%と一ケタ台の手数料を実現してるので…

未払い避けながら報酬も増やしたい人には割とおすすめです。

第三者が仮払いを受けるので、万が一返金できたり、クライアントと音信不通になってもお金受け取りやすい仕組みになっています。

おまけ2・Vとクリエイターのアカウントは分けた方がいい?

アカウントを分けるかは正直好みです。

お金のやりとりが発生する以上、責任が発生しますし、登録するサイトによっては身分証明証などが必要になります。

別けても分けなくても一緒…という考え方もできるからです。

ただ、クリエイターのアカウントわけて、

VはR18作品依頼NG、クリエイターはR18作品依頼OK

Vとクリエイターの活動を切り離したい

クリエイターとして実績を積んでチャレンジをしたい

など、ブランディングや活動を使い分ける意味で利用する人もいます。

統合してしまって、コンテンツの厚みで戦う戦術もあります。

どう活動したいのか、それぞれどんなイメージを作りたいかで選ぶのがおすすめになります。




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