2019.01.10 The Japan Times :Perfume goes back to dance basics ahead of Coachella debut _日本語訳

掲載元:The japan times
CULTURE

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Perfume goes back to dance basics ahead of Coachella debut

BY PATRICK ST. MICHEL
CONTRIBUTING WRITER
JAN 10, 2019

Perfumeは初のコーチェラを前にダンスの初心に帰る

Perfumeは15年以上に及ぶ自身のキャリアでチャンスを掴み続けてきた。この春、このエレクトロポップの3人組Perfumeは最新のアジア・北米ワールドツアーへと乗り出すが、真の飛躍の瞬間は、その旅路の最後、カリフォルニア州インディオのコーチェラミュージック&アートフェスへの出演で4月の週末の2回に渡りパフォーマンスをする時にやってくる。

「私たちにとってコーチェラは大きなチャレンジになります。」あ〜ちゃん(西脇綾香)は、所属事務所アミューズの渋谷オフィスでジャパンタイムズの取材に答えた。「私たちの出演はおそらく難しい時間帯になるでしょう。そしてもちろん、私たちのことをほとんど知らないお客様にパフォーマンスをすることにもなるでしょう。」

世界で最も話題をさらう音楽フェスへの出演はJ-POPグループでは史上初めてのことで(X Japanといったロックバンドの出演については各自の分類に委ねる)、Perfumeを圧倒的不利な状況へと追い込む。

しかし、あ〜ちゃん、かしゆか(樫野有香)、のっち(大本彩乃)の3人は、故郷広島の地元イベントでU.K.popをカバーした時から2000年代半ばの上京後に解散の危機に瀕した時まで、充分すぎるほどにそんな逆境を経験してきた。

そして、もはや今世紀で最もビッグなJ-POPアーティストとして、そして日本の外で熱狂的なファンを獲得する稀有なアーティストとして呼び寄せられたのだ。

2019年の幕開けとともに、3人は音楽的にそしてその外側へと、探求すべき新たな進路を探し続けている。

先ずはすでにインフォメーションされたワールドツアーへ向かう。上海で2月末に幕を開け、3月上旬は台湾へ、そして4月一杯をかけて北米ツアーへと移る。北米での公演は今回で3ツアー目、彼女たちは準備を始めている。

「日本国内で行なった最新の”Future Pop”(2018年のアルバム)アリーナツアーの海外公演となるので、ほんの少し、規模は小さくしなければいけないと思っています。」のっちは言う。「どうすれば同じメッセージとパフォーマンスを届けられるかを常に考えています。」

この10年間、日本においてPerfumeのライブショーはライゾマティクスによる(*2010年から)最先端のテクノロジーとの融合を賞賛され続けている。
このような未来的で華やかなショーはファンからも期待が高いとあ〜ちゃんは言う。
しかしながら、これらの演出を海外に持ち込もうとした場合、日本の会場より小さな空間であればうまくいかない。

「結局は、私たちのダンススキルにかかってきます。」あ〜ちゃんは言う。

2018年12月11日のソールドアウトした横浜アリーナでのショーを見ると、明らかに質実剛健なものではなく、レーザーや洒落たビジュアルトリックや同期されたCGIの背景映像をフィーチャーしていた(今年のNHK紅白歌合戦でも、この中から同様のテクノロジーが使われていたようだった)。

だが、この”Future Pop”ツアーの演出の着眼点は、3人の動きにシフトしていたのだった。アリーナ会場向けのサイズにデザインされたメカよりも、スキルの方が持ち出しやすいという理由もあるのだろう。

「初めてのワールドツアーが終わるまで、日本のお客様と海外のお客様とのリアクションの違いを心配していました。」Perfumeの長きにわたるコレオグラファー、ファーストネームでMIKIKO先生と親しまれている水野幹子は語る。
「ところが、ショーはどの国でも良い形で受け入れていただけたのでとても嬉しく思いました。特にアメリカのお客様ですね。必ずしも海外のショーのために変化する必要はないという自信を得ました。」

MIKIKOは、現在のツアーのステージセットは、よりメンバー自身の実際の体の動きに焦点を当てるためにシンプルに作られていると言う。

「彼女たちのパフォーマンスの本当の喜びは、ステージセットにかかわらず楽んでいただけることだと思います。」「どんな場所でも、会場の大きさにかかわらず楽しんでいただけるようなものにしたいと思っています。」とMIKIKOは続けた。

「私たちは緊張しいなので、、、」あ〜ちゃんは、笑いながら彼女たちのダンスに主だって焦点が当たるであろうショーに向けての準備について話す。
「練習をしていくだけです。のっちとかしゆかが一緒に居てくれる時間が長くなれば長くなるほど、私は全てがうまくいくと信じています。」

アミューズ本社のロビーの一角に、「Brutus」誌のスペシャルエディションが飾られていた。アミューズの40周年にフォーカスしたものだ。
巻頭には駐車場やApple Store の片隅でパフォーマンスしていた下積み時代を振り返る、まだ10代だったPerfumeが屋外でダンスをしている写真がある。
このころの思い出を聞くと、彼女たちはシングル3枚分の曲で続けていた苦しいセットリスト組みをしみじみと思い出していた。
「私たちと一緒に踊ってくれる人を招待して、一番上手に踊れた人にステッカーをあげるような催し物もしてました。」のっちが教えてくれた。

「長い間、ステージでマジックショーをしていました。」かしゆかが笑いながら思い出す。「あ〜ちゃんがマジシャン。のっちがアシスタントで、私がMCでした。」

しかし、若かりしイリュージョンの日々は2007年で終わりを告げた。
長きにわたるプロデューサーである中田ヤスタカが手がける、耳に残るフックと共に小気味好いベースライン、フィルタリングされたボーカルを駆使したサウンドを手にPerfumeがメインストリームへと駆け上がったのだ。
同時に幼さや可愛らしさを打ち出す世界観を避け、シャープで緻密な動きに傾倒することで、いわゆるアイドルミュージックとは一線を画した3人のダンススキルも成功の要であった。
MIKIKOは、出会ったばかりの頃からですら変わらぬ、3人のパフォーマンスへの献身は非常に稀有なものだと語る。

こういった事がコーチェラで成功する鍵となるだろう。
Perfumeの北米ツアーにおいてはファンとの一体感を感じられるだろうし、幾ばくかのファンはカリフォルニアの砂漠へも繰り出してくれるかもしれない。
しかし、大多数のコーチェラの常連客はPerfumeが何者かを知らないだろうし、Perfumeもまた詰め込まれたタイムテーブルの中で頭角を表さなければいけない。
メンバーもこのチャレンジについて自覚をしていて、どのように攻略していくかを考え始めている。

「日本語の挨拶から始めたら、インパクトがあると思いますか?」「まず興味を引きたいんです。そのために何をすれば良いでしょうか?」かしゆかが筆者に尋ねたので、一巡り考えて「英語以外の言葉は通じないでしょう、もっと音楽的なことで—」と、そこへあ〜ちゃんが割って入る「お客さんのものすごい歓声、そしてうねるような盛り上がり。インパクト残すってこういうことでしょう?」

「自分たちのパフォーマンスや音楽はクールだと思っているので、だからそれは私たちのことを知らないアメリカのお客様にも伝わると思います。」あ〜ちゃんはこう付け加えた。「コーチェラに出られるなんて考えたこともなかったし、だからもうすでに夢は叶っています。ただベストを尽くして、そのチャンスを生かすだけです。」

ここまで話をしていて、Perfumeのメンバーはずっと挑戦を続けてきたのだと思い出した。国内でそうやって成功をおさめたように、海を渡っても、同じなのだろう。

話は音楽以外の活動にも及んだ。Perfumeはバラエティー番組の司会をするなど、エンターテイメント業界の対岸側でも活躍してきたが、最近ではPerfume Closetのアパレルラインでファッション業界へも乗り出し、また一方ではTikTokの動画共有サイトへの投稿も積極的だ。

「私たちは変化を怖がる必要はなくて、そしてたくさんのチャレンジをした方がいいと思っています。それは、一人づつの活動にも言えます。」とあ〜ちゃん。

そして、次にそれぞれ個人が何をしてみたいかという話へ続いた。
Casa Brutusで日本の伝統工芸に焦点を当てた連載を持つかしゆかは、「日本の伝統的な美術品や工芸品を扱うショップを開きたいです。私自身が魅了されています。どうしてショップを持ちたいかというと、日本のものを海外に紹介できるような立場の仕事をしていますし、その機会を活用して、日本の本当に素敵な部分を見ていただきたいからです。」

のっちは、やがては彼女の個人的な趣味を公開しようと計画しているそうだ。(のっち「私はひとりっ子なので、一人で事を進めてしまうくせがあります。この趣味は、誰にも言っていない事です。」)
あ〜ちゃんの最新の大きなチャレンジは、インタビューの途中でやってきた。愛犬のポポがグルーミングから帰ってきて、部屋中の皆をメロメロにしていた。

「犬の洋服を作りたいです。」あ〜ちゃんはみんながポポと遊んでいる間に言った。「自分の大きめの洋服を買って、それを犬用にリメイクしたいです。どうすればいいかまではまだわかりませんが。」

地平線の向こうにどうやらもう一つ、ミュージシャンとしてのPerfumeにとってのマイルストーンとなり得る可能性があるようだ。

「2020年に東京にオリンピックがやって来ます。全てのエンターテイメントビジネスに携わる人々は参加しようとギアをあげているところです。」とあ〜ちゃん。「私たちも勿論、参加したいと思っています。自分たちのスキルを磨いて素晴らしいパフォーマンスをお届けし続ける事がオリンピックにも繋がれば、と願っています。」

3人が飛び込んでいく、もう一つのチャレンジだ。


番外編 「ワールドツアーと、滝。」

この春の北米ツアーは、Perfumeにとってはアメリカ大陸を横断する3度目のツアーだ。これまでに、3人はアメリカのファーストフードを時間を見つけて楽しんだり、ピクサースタジオを尋ねたり、土地の食べ物に出会ったりしてきた。今回のオフタイムにはどんな事を楽しみにしているか、聞いてみた。

かしゆか:食事ですね!(笑)でも、初めていく場所は何の食べ物が有名なのか知らないんです。ダラス、シアトルはまだ行ったことがありません。どこへ行っても、土地の美味しいものを食べるのが好きなんですが、、、結局普通のピザになっちゃっても好きです(笑)お出かけ先でいうと、いつも3人一緒にショッピングを楽しんだりしていますね。

あ〜ちゃん:ナイアガラの滝!滝が大好きなので!

なぜ滝が好きなのですか?

あ〜ちゃん:場の匂いが違いますね。滝の周りの空気が全然違って、近づくとだんだん気温が下がる。それが最高。

のっち:五大湖です!学生の時、テスト勉強で湖の名前を覚えました。ひたすら全部覚えましたねぇ。

あ〜ちゃん:あはは♪かわいいね。

のっち:本物、見たいです。

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