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LINEを開く前の数十秒。

新着メッセージの通知。赤色のバッジの数値が増えている。このLINEを開いてしまえばすべての結果がわかってしまう。驚くこともないほどの一瞬で。

開くまではどちらかは分からない。シュレディンガーの猫のようなものだろう。愛着を持って見続けてきたアニメの最終話を見なければ自分の中で物語が終わらないように、開かなければどちらの可能性も持ったままでい続けることができる。

開きたいけど開きたくない。これは自分が本気だと感じているからだろう。どうにでもなれと送信ボタンを押した十数分前。どうにかなっていてくれと願う現在。開かなければよかったと、誘わなければ良かったと後悔するであろう数十秒後の世界。

これが臆病者の恋愛である。

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