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ホウレンソウには時計以上の価値アリ?

おはようございます、Shiraneです。

12月も残り1週間を切りました。
読者の皆さんの冬は何だろう、とふとした時に思わずにいられません。

今日のお話もそんなふとしたことがきっかけです。


ホウレンソウの季節になりました

先日、私はタイから実家へと帰国。
その夜、母がある料理を振る舞ってくれました。

クリームシチューのスパゲティー。

いかにもカロリーの高い、私の好きな母の味です。
私がスパゲティを食べようとした時の出来事。

「今日は旬のホウレンソウが安かったからたくさん入れておいたよー!」

ホウレンソウの旬は12月

私の記憶上、この時初めて知りました。

そもそもフォークに絡めたこの葉物が今まさに旬であると、一見して私には旬に思えなかったのです。

そもそも「」ってなんでしょうか?

1.旬とは何か?

よくニュース番組で

「秋刀魚が旬の季節がやって来ました!」

とキャスターが口にしますが、一度ここで旬の意味を確認しましょう。


「旬」とは自然の中でふつうに育てた野菜や果物がとれる季節や、魚がたくさんとれる季節のこと

農林水産省「子どもの食育」より

"ある食材がよくとれる時期"、これを「旬」と呼ぶようです。

この食べ物の季節性を表す「旬」は、
土地によって時期がずれます。

例えば、シュールストレーミングで有名なニシン。
日本では産卵期の2〜3月とされることから、

別名「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれる同時にこの時期に旬とされます。

一方でチューリップの国オランダでは、5月下旬によく市場に並ぶようです。

旬はその土地によって左右される

言語の社会性が垣間見えますね。

2.それぞれの季節の言葉、その相違点

季節性を表す言葉は、
何を対象にするかによって呼び名が異なります。

食べ物であれば、
ファッションであれば、トレンド
和歌や俳句であれば、季語

とそれぞれ呼ばれます。

「スイカのトレンドがやってきた!」
これだと、少し違和感を感じますよね……

※ちなみに、端午の節句や冬至といったものは季節より時期として扱われることが多いとされます。

旬、トレンド、季語。

同じ季節性のある言葉ですが、実は対象の扱い、それに伴うイメージがやや異なります。

例えば、旬だと12月の時間の流れを横軸に食材が点で描かれることが多いです。

これは食材が必ずしも四季で旬を分けられないためです。
私たち一人一人の誕生日が違うように、数多くの食材は地域性といった環境によって個体差が強くあることを示しています。

これに対し、"春もの"といった、トレンドは四季で区切られます。

これは、四季以上の区分がその分野において必要とされなかったことによります。

7月と8月に着るものが大きく変わらないように、服の売買においても毎月売るものが変わるとは限りません。

服装は着る本人の感覚で変更できる、コントロールできるものが多いほど区分は曖昧になりがちです。

※季語も同じように四季で分けられます。

3.まとめ

ここでは、旬にはじまる季節性のある言葉について振り返りました。

2.では、対象との関係性の違いをそれぞれの表現で指摘しましたがその反面、これらは共通して

対象そのものが時間を示す言葉

として機能しています。

今や時間の多くは、時計で表されるようになりました。

その時計も紀元前の日時計に起源を持ちます。


太陽の傾斜角から影の長さや方位を測る日時計。
まさに太陽を対象として、昔の人は時間の流れを理解していたようです。

私がホウレンソウから時間を見出せなかったように、今や物が持つ季節性、旬といった時を表す言葉はその必要性を失いつつあるのかもしれません。

しかし、

  • 時計はズレることがあっても変わらない旬や季語にこそ変わらない時が流れていることを

  • 対象とされる事物から季節を感じられる心を

これからも残り続けてほしいと思う今日の私です。

次回の更新は1月1日(月)、元旦です。
おせちでも食べながら、また足を運んでもらえると嬉しいです。
ちなみに、私の好物は黒豆さんです。

〜終〜

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