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大波乱の韓国、非常戒厳についての備忘録

12月3日の夜10時半ごろ、びっくりするニュースが入ってきた。

最初、なんのことだかわからなくて
もしかして北の方と何かあったのか?と思ってしまった。

結局は違ったんだけど、
自分でも韓国に住んでいる間にこんな内乱に遭遇することなんて2度とないと思ったので、
備忘録がわりにnoteにしてみる。

「非常戒厳」って?

まずはこれ。日本にいて一度も聞いたことのないこのワード。
前提として、韓国の現在の状況をば、、

現在韓国では来年度の予算案を審議中。
そもそもユン大統領は最近支持率が下がりに下がりまくっている。
20%
すら切ってしまっているのだ。

というのも、韓国の経済状況の悪化、少子化の加速、若い世代の就職難など
大統領の施策が問題視され韓国国民が不信感を抱いているだけでなく
大統領夫人である「キムゴニ女史」
Diorのバッグをユン大統領の職務と関連した贈り物として受け取った疑惑や
知人が経営する会社の株価操作に関与した疑惑などが相次ぎ、
大統領自ら国民にお詫びする、という事態にまでなっている。

ここまで支持率が下がっているのは本人ももちろん承知の上でのことだと思うのだが、
ユン大統領曰く
「ここまで国政が機能しないなんて!麻痺している!
ジャマするやつは野党という皮を被った政府の転覆を図る反国家勢力とみなす!」
と言い切ってしまい、宣言したのがこの「非常戒厳」

そしてそれに伴って「布告令」というのを出したのだけど、その内容がこちら。

戒厳司令官の陸軍大将名で出された「布告令」は「韓国の内部に暗躍している反国家勢力による体制転覆の脅威から、自由民主主義や国民の安全を守るため」として3日午後11時をもって韓国全域に6つの事項を布告するとしています。

1つめとして「国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、デモなどの一切の政治活動を禁じる」としています。

2つめに「自由民主主義体制を否定し転覆を企てる一切の行為やフェイクニュース世論の操作、虚偽の扇動を禁じる」。

3つめとして「すべての言論と出版は戒厳司令部の統制を受ける」としています。

4つめとして「社会の混乱を助長するストライキやサボタージュ、集会行為を禁じる」。

5つめには「ストライキ中だったり医療現場を離脱したりしたすべての医療関係者は、48時間以内に本業に復帰して忠実に勤務し、違反した時は戒厳法によって処罰する」としています。

最後に6つめとして「反国家勢力など体制転覆勢力を除く善良な一般国民は、日常生活での不便を最小化できるよう措置する」としています。

また「違反者に対しては、戒厳司令官の特別措置権によって令状なしに逮捕、拘禁、押収捜索ができ、戒厳法の罰則によって処罰する」としています。

NHKニュースより引用

戒厳司令部とは、軍のことなので
この6つが指すものは要するに国民を軍事政権下に置くようなもの。

そもそも今回の宣言に至ったのも、
本当に知っていたのは大統領の側近数人しかいないらしく
それを提言したのが、大統領とは旧知の仲でもある
陸軍参謀総長(大将)の「パクアンス氏」。

韓国はご存知の通り軍隊が存在する国。
そしてこの布告令は陸軍大将の名の下で出されたもの。
思いっきり大統領と軍がズブズブなわけです。

こうなると、国会議員だけでなく韓国の国民もパニックになり
夜中にみんながテレビをつけたり、ネットニュースを見たりして情報を集めたりしていたのだけど
ここがすごいと思うのが、さすが政治に関心の高い韓国人。
国会前まで行った人も多いらしい。

大学受験を終えたぐらいの高校生もいたというのだから、本当に驚き。

その後国会では

もちろん野党は大反発。
「今すぐ国会に集まって、非常戒厳の解除要求決議案を可決させるぞ!」と、
夜中に190人の議員が出席。

しかし国会前には国会議員を中に入れまいと厳戒態勢が敷かれている中、
そこで活躍したのがここに集まった市民たち。
市民たちが門のところから1人の国会議員をみんなで持ち上げて中に入れようとしている写真をXで見た。
(その写真見つからなかった😂)
そうやって中に入った人もいてか、4日未明に決議案は可決。

決議案が可決されたので、ユン大統領もさすがにこれには抗えず
4日4時半ごろに「国会の要求を受け入れる」として
非常戒厳を解除した。

戒厳されていた時間としては6時間ほどだったが、
この間にも、普段飛ばないような時間にヘリコプターが飛ぶ音が聞こえたりもしていて
何か異常なことが起きているというのはソウルから離れた場所からでも肌で感じた。

まだまだ波乱は続く、、

ドタバタ自体はもう終わったけど、
このまま何もなかったかのようにフェードアウトするはずもなく、
ついさっき(3時ごろ)野党が「大統領を内乱罪で告発する!」と決定した。

ユン大統領もこのまま何もしなかったとしても弾劾は避けられなかったと思うのだけど
結局弾劾されるなら最後の足掻きに軍まで動員して戒厳を出したのか?と思うと
あまりにも自己中心的すぎるというか、当たればラッキーぐらいに思っていたのか、、

日本人でもやれやれってこの顔なっちゃうヨƪ(˘⌣˘)ʃ

今回の騒動を見て思い出したのが、この映画「ソウルの春」

これ結構内容は難しいのだけど、実話が元になっている。

1979年に大統領暗殺事件が起こり(この時暗殺されたのが、朴槿恵大統領の実父朴正煕)
民主化ムードが高まる中、全国に今回と同じように非常戒厳宣言が出され、
その事件の捜査本部長となった人物(後のチョンドゥファン大統領とされる)が
陸軍の秘密組織とともにクーデターを起こす。
それを首都警備司令官である人物が止めようとして、、というストーリー。

今回も一歩間違えればこういうことになりかねなったのかなと思うと
本当に身の回りに何事も起きなくて良かったなあと思う。

韓国には軍隊もあるのだから、ハッキリ言っていつどうなってもわからない状況が起こり得る。
日本は隣の国だけど、日本で生きててそういう身の危険を感じることってなかったから
いかに自分が平和ボケしていたのか、日本がいかに幸せな国なのか、ということを
改めて思い知る機会になった。

自分なりに情報収集してまとめたものになるので、
読んだ方の中で「これ違うのでは?」と思った方は
コメントで教えてくださると幸いです。

いつもと違って少し真面目な内容のnoteでした。

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Nancy
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