詩「今日も世界に泥が降る」
泥水が降ってきた
また夜に覆われる
白い水仙が一輪だけ咲いていたが
もう世界は沼になってしまって
泳いで探そうにもどこへ進んでいるのかわからない
夜を潜り続ける
もしかしたら水仙は見間違いだったのかもしれないし
重たい泥に手折られてしまっているかもしれない
もったりとした夜を手で掻きながらそう思う
いつの間にか地球は夜に黒く塗られてしまった
裏側は朝なのだろうか、白いのだろうか
地球儀のように回せないから
今見えているものだけが僕の地球
見えない世界は知らない世界だ
泥の向こう側では誰が何をしているだろう
幸せだろうか
不幸せだろうか
どちらでもないだろうか
ぐるぐる考えているうちに泥が流れて
今度はあちら側が黒い夜になる
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