詩「自分着ぐるみ」
昨日、手首を切りました
だって変な感じがしたのです
鏡の中に知らない人がいたんです
私はこんな姿だったかしら
この腕は本当に私の腕かしら
着ぐるみ、みたい
ふにゃっとした笑顔で時々おどけた動きをしてみる
そんなゆるキャラの着ぐるみの中に入っている気分
中身は?
私に中身はあるの?
流れていく血は果物の果汁のようで
甘酸っぱい香りがしました
痛みはありませんでした
やっぱり私は着ぐるみを着て暮らしているんだわ
だから悲しくても笑えるし
涙も出ないし
まるであなたを愛しているかのように振る舞えるのです
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?