- 運営しているクリエイター
#短編小説
小説「街売りの少女」
寒い雪の晩のことだった。僕は仕事帰りに、慣れ親しんだ商店街を歩いていた。人気こそないが、街灯と雪明かりがあるのでけっこう明るい。そう、どうせなら明るい道を通って帰りたいものだ。足を滑らせないように用心しつつ歩みを進める。右。左。右。左。ポケットには自販機で買った“あったか〜い”缶コーヒー。もう少しだけ家に近づいたらこれを飲もう。
そんなことを考えながら歩いていると、雪道に女の子が立ってい
寒い雪の晩のことだった。僕は仕事帰りに、慣れ親しんだ商店街を歩いていた。人気こそないが、街灯と雪明かりがあるのでけっこう明るい。そう、どうせなら明るい道を通って帰りたいものだ。足を滑らせないように用心しつつ歩みを進める。右。左。右。左。ポケットには自販機で買った“あったか〜い”缶コーヒー。もう少しだけ家に近づいたらこれを飲もう。
そんなことを考えながら歩いていると、雪道に女の子が立ってい