職務経歴書には数値でわかる実績を書かないといけないの?

自身が面談をするときに、質問をする9割が過去の事になります。
私は過去が今の自分を形作っていると思っているからです。


こんな話をした時によく「私は明確な実績もないし、こんなキャリアだと恥ずかしいですよね」って言われる事がとってもとっても多いです。

そりゃあった方が良いんですが、僕は基本的には実績単体ではそこまで注視していません。
キャリアアドバイザー的な人はよく「職務経歴書には数値で実績を書きましょう」と言うみたいなんですが、果たして数値で実績を書ける業務ってどんな仕事でしょうか。

一番分かり易いのが営業です。
月間・年間の売上はどれぐらいでした。
目標達成率は何%でした。
みたいなお話は比較的しやすそうですよね。

じゃあ例えで見てみましょう。

2020年 売上1.2億円 目標達成率106%
2021年 売上1.8億円 目標達成率140%
2022年 売上2.2億円 目標達成率118%

こんな人が居たとします。
面接官はどう考えたらよいでしょうか。

目標を大幅に超えている!しかも毎年上がっている!凄い!
ってなりますよね。
ただ、営業責任者やってみればわかると思うんですが、部下に120%以上達成が可能な目標を与える事は稀です。ほぼ無いと言っても良いんじゃないでしょうか。当然出来る人にはそれ相応の高い目標を与えます。

つまりこの数値は異常値です。

「なるほど、この人は嘘をついている可能性があるのか。」

っていうお話でもありません。
個人の売上というのは、担当商材、業界の状況、上司の管理など様々な外部要因に大きく左右されます。

例えば一番顕著なのが売上額です。
売上というのは要するにお客さんから受け取った額ですが、ここには仕入額が反映されません。利益率1%前後で大量に商品をさばく商社の営業マンと、利益率30%以上を乗せて販売をするメーカーの営業マンだと売上額が違いそうですね。

他にも同じ不動産業界でも、1件3000万円から所によって1億円を超えるような販売型の不動産営業マンと、賃貸の営業マンだと売上額は違いそうな気がしますね。

こんな風に売上額はビジネスモデルによって大きく変わってきます。
売上額そのものが大きいからこの人はすごい営業マンなんだ!ってなるのは早計かもしれません。

そして上記記載だと2021年に大幅に額を大きくしているのですが、2021年と言えばコロナ直撃の年ですよね。この年に売上が大幅に上がっているという事は、本人の努力もあるかもしれませんが、コロナ期に一気に求められた商材である可能性もありそうですね。
目標より大幅に達成するという事は、その1年間で本人の実力が突如上がったというよりも、経営層が想定していたよりも市況が一気に盛り上がった。の方が現実感があります。

そして最後に上司が変わったり管理方法が変わった場合があります。
例えば「営業は気合いだ!」というタイプの上司から「過去の実績をデータ化して、見込度が高い顧客に注力するように」と指示を出す上司に変わって営業マンの売上が変わるというのはとってもよくある事です。

場合によってはインサイドセールス部門を別途立ち上げて、今まで営業マンが自分でアポから商談までやっていたが、テレアポは別部隊が行う事とする。という風にそもそもの営業スタイルが変わる場合があります。
この場合、アポイントを取る作業が減った分だけ売上が増えるのは当然な気もしますよね。


こんな事ばっか考えて面談するなんて嫌な奴ですね!!!


さてさて、そんな感じで世の中には凄い実績を見て素直に凄いと思ってくれる人も多いと思いますが、職務経歴書と睨めっこばっかりしている人事には僕みたいな嫌な性格の人も多いです嘘ですごめんなさい人事の皆さん!

ただ、数値で書かれた実績が全てではなく、そこに至る過程や構造を注視すればもっと色々なことが見えてくるって言う事もわかってきそうですよね?

逆説的に、数値で語れる実績より、その過程にその人がどのような事をやってきたかの方が重要だと考える人は多いという事も是非理解して欲しいなと思っています。

なんかみんなのそういうの集める活動とかしてみたいわね。今度企画してみます!


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