見出し画像

ホテル絵日記/Park Hyatt Saigon

画像1

コロナウィルスでベトナムの観光業は壊滅状態です。何しろ観光地の店の看板が中国語と韓国語で書かれている国だから。ハノイは欧米系がチラホラいる程度。
空港も空いてて飛行機はガラガラなので、ふらっとどこかに行くにはちょうどいいんだけど、ヘタに出国すると再入国時に隔離されるかもしれないので自粛中。ニッポン人は厳重監視対象になってしまった。
オフィスにもアパートにもコーアンが来て、パスポートの入国スタンプの日付を調べていきました。
ジブンの身はジブンで守る。ニッポン人が集まる店にはいきません。咳なんかしたらすぐに通報されて連行されるかもしれないから。

ホテルも絶賛安売り中ですが、ここは今週も安い部屋で1泊3万円以上。ホーチミンで一番のホテルなんでそう簡単に値引きしません。
10年近く前に老後の楽しみと思って泊まり、描きました。今、まさに。
ワタシ的にはレストランとバーが見ものでした。ニッポン人の天才デザイナー、杉本貴志氏率いるスーパーポテトの、杉本氏がまだ健在だった頃の作品です。2年前に亡くなりました。
無印良品の店のデザインを最初からやった人と言えば誰でもわかるでしょう。

画像2

画像3

レストランはイタリアンで、オープンキッチンのお手本みたいな作り。美しい空間。調理人たちが舞台の上の役者のように動き、見せてくれます。
こういう格式の高いホテルのメインレストランが大々的なオープンキッチンだっていうのも当時としては思い切った発想でした。
バーは地下に下りていくと、突然目の前に竜宮城みたいな別世界が広がります。たぶん。実はまだ行ったことがない。恥ずかしながら。イキてるうちに一度は行ってみたい。

画像4

部屋はバスルームが2Way で、シャワーとバスタブがニッポンスタイルの洗い場付きで、全部引き戸で、あとはそこら辺のACCORのMGalleryとかSofitelとかでよくあるような、ビックリハウス的なことはやりませんっていう姿勢。
ひとことで言えばAuthentic。真の一流はこうあるべし、っていう見本のようなホテルです。
その後できたThe Reverie Saigonがここと並ぶホーチミンのBest Hotelだっていうけど、ワタシはReverieはド派手コテコテデザインで悪趣味のキワミにしか見えないので泊まる気になれません。っていうか高くて泊まれないだけだけど。
ま、ヒトそれぞれです。いろんな選択肢があることで街が面白くなります。

画像5

部屋に置いてあったレターペーパーが藁半紙というかパピルスというか、エラい描きにくい紙で、水を吸い過ぎて絵の具が載らなくて苦労しました。しかもB5かなんかで。
以前、部屋にレターペーパーを置いてないホテルで、紙くれってホテルの人に言ったらトイレットペーパーを持ってきたことがあって、アレにはいくら頑張っても絵は描けない。

ニッポンではよりによってトイレットペーパーを買い占めるって、民族としての理性が欠如しているとしか思えない。
あんなものなくたって死ぬワケじゃなし、こっちじゃ紙を流しちゃいけないトイレもあるほどだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?