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傍のソバ・ハノイ編/Bún đậuで快腸

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Bún đậu/ブンダウは極めて地元的な料理で、匂いが、いやニオイが、3m離れたテーブルからも漂ってきて、これまで12年間、扇風機の風下には座らないように心掛けてきたモノです。
ベトナム人はワタシに、ジブン達にとっての納豆みたいなものなんじゃないかと言うけれど、ハゲしさが一桁違う。
基本はコメ麺のブンと揚げ豆腐。それにパクチーや諸々の香草類が付いて、それらをエビの内臓を発酵させて作ったマムトムというタレに付けて食べます。

このタレの灰紫色のルックスと、目に染みるニオイと、舌に突き刺さる味。
これを食べずに一生を送るという選択肢も当然あり、それによって何かが害われることもないワケですが、ここにきて、コロナ禍下の微妙な心境の変化もあり、そろそろ食べてみるべかと思い、食べた次第です。
行ったのはこの料理ではハノイ一の呼び声高い名店。ホアンキエム湖のすぐ南側の、Ba Trieu/バ・チェゥ通りに面した古いお寺の門をくぐって、狭い路地を30mほど行ったところという非日常感。
類似店が3,4軒固まってあり、こっちは40k.ドン≒185円でアッチは39k.≒180円、みたいな競争をしていますが、迷わず一番混んでる店へ。

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平日のやや遅い昼でしたが、小学校の教室くらいの店内に50人くらいがびっしり。カイシャ員のグループとか、場所柄ファッション系の、ローライズ短パンジーンズ姿のオジョー達とかが、座の低い幼稚園椅子に座って黙々と食べています。
トッピングにより値段は変わり、豪勢にもワタシが注文したのは全部載せ。一人前70k.ドン≒325円ナリ。
揚げ春巻き、ハムのようなモノ、所謂コてっちゃん的な内臓系の茹でたのとか揚げたのとか、さらには真っ黒系の葉っぱでくるんで揚げモノと薩摩揚げが載ってきました。

道端でよく見かけるブンダウ屋のは揚げ豆腐だけだったような気がして、こんなにたくさん、いろんなものが出てきて若干興奮しました。
揚げ春巻きは普通にウマい。コてっちゃん系はコてっちゃんの味。基本的に全部、マムトムの強烈なニオイを中和してくれる名脇役的存在で、一気に半分食べました。
というのもこれで二人前。一緒に行ったカイシャのスタッフは食べたいものだけ食べるというスタンスで、揚げ物系は豆腐以外手を付けず、結局それもワタシが食べました。残せない性分なんで。

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食べてよかったとか、そこまでの感慨はありません。少しセカイが広がったくらい。
発酵系なんでカラダにはいいでしょう。
レースのカーテンが揺れる真っ白な部屋で、起き抜けにブルガリ屋ヨーグルトを食べるのと同じです。
嗅覚が正常に機能しているかを確かめるのに、たまに行くのはいいかもしれません。

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