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ホテル絵日記/Shinta Mani Angkor

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前回に続きシムリアップのホテルです。次回もです。
もう5回くらい行ってるのでいろんなホテルに泊まりました。泊りたくても泊まってないのはアマンだけです。Amansara。看板もないのに塀からオーラが溢れ出ているのですぐにわかります。

ここはいろんなWebsiteでSiem Reapのホテルの1位に評価されています。Bensleyのデザインにしては装飾もほどほどでワタシも好きです。
道を挟んで向かいにShinta Mani Shackという、中庭にプールのあるやや大きい2号店もあります。
そっちもBensleyで見た感じ最初は惹かれますが、すぐにハラ一杯になって、仕舞いにはツカレ果てます。
好みはヒトそれぞれなのでやめた方がいいとは言いません。こういうセカイもあると、むしろお薦めしたい。

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ここは地元の若者に職業訓練もしています。スタッフはそこで育った若者たちでキビキビと楽しそうに働いています。
欧米系のヒトがやっていることですが、カネをばら撒くんじゃなくて、投資してジブンの利益も上げて、クニの発展に役立っている。まるでワタシがやってることとおんなじ?? こっちは全然儲かってないけど。

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部屋はバスルームもテラスも全部白黒のセカイ。ベッドから見上げる天井に仏像の写真が貼ってあります。電気を消すと妖しい腰付きが浮かび上がって眠れなくなります。ウソ。
床は真っ黒の人研ぎテラゾー。ベトナムでは貧しい時代の材料としてあまり好まれませんが、ワタシは手作りの味が出るので好きです。
真鍮の目地が入って、壁との取り合いはアールになっていて、実に繊細。
ワードローブの壁がレンガに薄くモルタルを塗って、ヘラで掻き取ってレンガの地の赤を見せるような仕上げになっています。不揃い感がキレイです。

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カンボジアは内戦が長かった分、ベトナムより発展が遅れていて、人件費も安いので手作業的なシゴトはタダ同然、と言ったら言い過ぎですが、ニッポンだと逆に高くつく部分が安く、味わい深く仕上がります。
職人的技能が広く浸透しているわけではありませんが、忍耐力を発揮して使わない手はありません。
一方でさっき言ったような感じ方の違いもあって、貧しく見せずに手の温もりを出さないといけません。難しいところです。
その点でこのホテルは非常によくできています。実に細かく、執念深く、しぶとくやったなと思わせます。

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アンコールワット旅行では早目の午前中と夕方に寺巡りをして、昼は猛烈に暑いのでホテルでのんびり過ごします。
最初に乗ったトゥクトゥクが運よくよければ、運転手に時間を言えば迎えに来てくれます。よくない運転手だと付きまとわれて迷惑します。世の中は51%のいいことと49%の嫌なことでできています。
疲れて早く寝て、翌朝早く目が覚めたら、朝焼けが部屋の白い部分を紫色に染めていました。
この光でアンコールワットを見たいと思い、翌朝は日の出前にホテルを出て、その人類が造り得た最高の寺院に向かいました。
燃え上がる炎のような尖塔の光景が、ワタシの目に深く焼き付きました。

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