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ホテル絵日記/Raffles Grand Hotel d’Angkor

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シンガポールのラッフルズはWeb時代以前には世界最高のホテルと謳われていましたが、Trip Advisorの今年のランクでは国別のTop25にも入っていません。
7,8年前に一度、バーで一杯やるかと思って入ったものの、休日のデパートみたいな混雑で諦めました。ワレワレを含めたオノボリさんのメッカと化していました。

周辺国ではカンボジアのこことプノンペンにあります。どちらも通りすがりの観光客がちょっと覗いて行くべか、と思うような雰囲気ではなく、吹き抜けのロビーは仄かな香水の匂いと静寂で満たされています。
大きな前庭があって、車寄せで半階上がって中に入るような大仰な造りです。風格があって悪くありません。

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Grand Hotelという名前にはホテルの中のホテル、町の中の特別な存在という意味合いがあります。
映画やミュージカルのタイトルにもなるくらいで、人間ドラマのルツボみたいな場所です。
ハノイにはありません。Metropoleが名乗ってないので他が名乗れないんでしょう。ホーチミンには最近増築した古いのがあります。国営でサービスのサの字もないホテルです。
そういう意味でここは十分Grandなホテルです。

町のど真ん中の大きな公園に面して建っていて、200mくらい離れた向かい側には王室の別荘があり、右手には団体向けリゾートのVictoria、左斜め後ろには道路を挟んで1泊20万円のAmansaraがあります。
Rafflesは3~4万です。サラリーマン時代にジコ犠牲の代償として泊まりました。

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部屋はやや小さめで、バスルームが隣の部屋の角に一部被って外壁側にある形です。暑い国なので客室の窓は小さくていいのでこんなこともできるのです。
東大病院とか、最近の病院で似たのがあります。明るいトイレで早期退院、みたいな呑気なコンセプトで。
欠点は廊下から部屋に入るとすぐにベッドがあることです。寝てると廊下を誰かが歩くケハイすら感じます。神経質な人は眠れないでしょう。

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テレビが収納棚の中に仕舞ってあります。ブンカ度の高い国では居間にテレビがあるなんて恥なので、いかにうまく隠すかは設計者の腕の見せ所です。ホテルでも当然隠します。
最近はテレビも薄くなっているので壁の中にスーッと消えちゃうようなのがスマートでいいでしょう。
ニッポンでは相当高級なホテルでもテレビが部屋の中心で、秘密のチャンネルがあって秘密の映画が見れるのは不思議なことです。出生率向上にはつながっていませんが。
ブンカの違いというか、ニッポンの光と闇というか、いろんなことに二面性があるのはそれはそれで面白いことです。

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話が逸れました。門の外に待機してて呼ぶと入ってくるトゥクトゥクは全員マジメな運転手かというとそうでもありません。っていうか払う側が細かなことは言わないんでしょう。値段がかなり高めです。
高いホテルに泊まってそういう庶民的な乗り物に安く乗ろうというのが間違っています。
あらゆることにカネ持ちとして振る舞えるのが真のカネ持ちだと、こういうところに泊まると思い知らされます。

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