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暗黒日記Z #14 「2021年の総括 Part.1」

画像は見ての通り粉を噴いているカップヌードルの猫。汚ねえな。違うね、あの、黄色いチョークで遊んだんだと思えば別に汚くないからそれでいこう。何気にこれになってから初めて買ったので思わず写真に収めてしまった。 

タイトルにもあるように、今回は2021年を振り返っていくことにしようと思う。しかしまあ、1月から順繰り順繰りやっていくなんてのは面倒なので、今年の良かったコンテンツを種類別にいくつか厳選して紹介する感じになる。年末年始の暇潰しにでも活用してもらえれば嬉しい。

ヘイ!
映画の見出しの内容を書き終わったタイミングの私が割り込ませてもらうぜ!
思ったより長くなって時間かかりそうだからいくつかにパートを分けて、今回はパート1だってことにしたぜ!
来週もよろしくな!
なんだろうなこのテンション!
年末ハイかな!
ミーハー過ぎてビビるよな!
まあいっか!

映画

今年観た映画で特に好きだったのは以下の三作。「今年公開」ではなくてあくまで「今年観た」なのが情けないところ。2021年は一度も映画館に行かなかったかもしれない。じっとしているのが得意ではないので、実は映画館で映画を観るのは自分にとってハードルがなかなか高い……というような話はまたどこか別の機会でするつもり。

『クラウド アトラス』

良い良いとは聞いてたけど本当に良くてひっくり返った。『マトリックス』のWウォシャウスキーと、もう一人トム・ティクヴァって人も監督・脚本で参加してるんだけど、この人、私の大大大好きな『パフューム ある人殺しの物語』という映画の監督・脚本も務めている人物なのである。あの映画もマジで最高でしかないのでまだ観たことない人は観てみて欲しい。乱歩なんだよ。おどろおどろしいほうの乱歩小説みたいな狂気の物語だから。そのくせ編集が妙に小気味良くて、びっくりなことに「ナレ死」まであったりするくらい謎の軽さがあって、極めつけに最後は映画の歴史を見渡してもここまでの光景はなかなか無いだろっていうクソヤバ乱痴気騒ぎが見られたりもする。逆にそこはそんな軽くなくて厳粛に乱痴気ってるのも最高。ぜひ。

パフュームは良いんだよ。
クラウドアトラスの話をしろ。
はい……。

というわけで、私の愛が無駄に駆け巡ってしまう映画を作った人間がウォシャウスキーと組んだ『クラウド アトラス』は、これもまた最高というほかなかったので、真っ先に挙げたくなった。何せ私は『マトリックス』も本っっっっっ当に大好きなので、美味しい物と美味しい物が合体していて、そりゃ美味しいに決まっていたのだった。は? リローデッド? レボリューションズ? は? 何? は? よく分かんねえな、何それ、何かのゲームのタイトル? 急に変なこと言わないでくれる? 今そういう話してねえんだわ。帰ってヨシ。

(『マトリックス』の続編たちに対する私の気持ちはこれなので……。え? 何? れざ? レザレ? レザレク、ん? 何何何、レザ、なんだって? レザ、レザレクショ……ああもう知らん知らん知らん! この期に及んでもう、知らん! 勝手にしてくれ! でもここまで年数空いての続編は正直ちょっと気になるけど! でも知らん! 本人達が楽しいなら良いんじゃないすかね!)

また話が逸れた。それで、そう『クラウド アトラス』だよ。これは本当の本当に素晴らしい作品だった。6つの時代が舞台となる映画で、それぞれの時代におけるそれぞれの主人公が、それぞれの革命を果たそうとする映画。凄いのが、6つの時代をかなりの頻度で行ったり来たりするし、同じ役者が別の時代では違う役をやってたりするんだけど、全然混乱しないのである。脚本と編集が究極に洗練されているからこそ為せる業なんだと思う。まるでマッチカットみたいに、時代の切り替わりがありえないほどスムーズに行われていくから、理解が追い付かなくなることがない。映画が芸術であり、ストーリーテリングもまた芸術であるということを心底思い知らされる凄まじさがあった。

『ヘレディタリー/継承』

待ちに待ったコイツがとうとうアマプラにやってきやがったんだよ。で、即観たんだよ。いやもうね……もう……ハァ〜〜〜〜〜。ハァ〜〜〜〜。ファア〜〜〜〜〜〜完璧〜〜〜〜〜〜〜っていうね。自分の中での好きなホラー映画ランキングで、瞬間最大風速では完全に一位になってた。どういうこと? ふふっ、わからん(和久井優ボイス)

トラウマを植え付けるのが本当に上手かった。最近改めて日本版の予告編観たら「永遠のトラウマになる」とかぬかしてたけど確かに正直人によっちゃあなりかねないと思う。特に妹ちゃんのアレはまずいだろって。アリ・アスター性格どうなってんだよって。村田沙耶香に近い物を感じるよ。冷静に冷静に、至って正気で平然とトチ狂ったことしてくる。やらかしたショックでベッドに入ったお兄ちゃんの顔のアップの後ろでカーチャンの絶叫が聞こえてくるシーンがさあ……しかもそこから「もう生きていたくない!」って泣き喚くカーチャンと宥めるトーチャンからの妹ちゃんのアレだよね、もうさあ……人の心が無い……もっとちょうだいそういうの……。鬱映画好きとしては素晴らしくたのしかった。

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

打って変わって。邦題からも感じ取れると思うけどこちらは楽しいティーンズムービー。高校生活終了直前になって、全然高校生らしく遊んでねえぞ我等!? と気付いて一年発起、最後くらい派手に遊ぶべ、と試みる女の子たちの話。ブックスマートっていうのは本で知識ばっかり得てるけど経験が伴ってないヤツのことを指す言葉だそうで。つまり頭でっかち。つまりそれは取りも直さず私そのものなのでもあって。つまりそれはこの映画が私にぶっ刺さった理由なのだった。

女の子二人が主役なんだけど、一人はガリ勉で一人はレズっていう個性を持っている。あんまりセクシャリティについてとやかく言うのは好きじゃないしそんな資格は当事者ではない自分には無いと思うから軽く触れるだけにしておくけど、当たり前の性質のひとつとして描かれているのがとても良かった。おすすめ。

音楽

音楽も雑に色々聴いてた。アルバム単位で挙げるのも曲単位で挙げるのもどっちもいいなー。ってことでどっちもやるわ。イェーイ。

ピーナッツくん「Tele倶楽部」

マジでこのアルバムはアホみたいに聴いた。リリースするちょっと前にこれを観て大ファンになってたので……。

ピーナッツくんのラップやべええ、ってなってるところにアルバムリリースの報。そんなの聴きまくるしかないとサブスク配信開始と同時に聴いてハイハイハイ最高最高最高となり、未だに2日に一回、何なら毎日くらいの勢いで聴いている。ピーナッツくんのフロウが好きなのが一番の理由なのは間違いないんだけど、ゲスト陣がVtuber中心になってて、Vオタとしてはそれがあまりにも楽しい。それでビートも全部きもちぃーしな。イカれてるよ。リリックも色んな方向性の際どさだし。兄ぽこは天才。「My Wife」が結局一番好き。

Bring Me The Horizon「POST HUMAN:SURVIVAL HORROR」

これもバカみたいに聴き狂ったアルバム。リリースは去年だけど。今年軽く五十周はしたと思う。大袈裟でなしに。だって「Ludens」「Parasite Eve」「Obey」が入ってんだぜ? 近年のメタルコアアルバムの中では指折りだろこんなもん。次点はArchitectsの「For Those That Wish To Exist」になる。タイトルもジャケも大好きだし中味も言うことない。BMTHのこっちのほうについても同様。デスメタル興味あるけど何聴いたら良いか分かんないって人はとりあえずどっちか聴いとけ。デスメタルに興味なくても聴け。もしオマエがかっこいい音楽を好きなのであれば。いやもういっそ音楽じゃなくてもいい、かっこよくて美しいものが好きなら手を出せ。結果は保証する。

Sam Fender「Hypersonic Missiles」

リリース2年前だってさ。耳が遅いわネ〜。これもたぶん五十周案件。「Dead Boys」「That Sound」が、無論「Hypersonic Missiles」「The Border」もお気に入りである。この人はとかく声が良い。深いところから出てる感じがする。詞も良い。確か「有害な男らしさ」という概念を知ったきっかけは彼の曲とインタビューではなかったかと思う。いかにもやんちゃな兄ちゃんみたいにジャケだけでは見えるけど、ライブ映像見るとちょっとナイーブっぽいようにも見えたりして興味深い。今年見つけて、割と人生ベストレベルで好きなミュージシャンになった。

THE BINARY「花に雨を、君に歌を」

なんかちょこちょこ目に入りつつおそらくあんまり好きくないやつやな、と食わず嫌いを長くしていた。ふと思い立って聴いてみた。パーフェクトだった。曲も詞も声も、MVに関しては映像も、全てがストライク。曲単位だと今年一番聴いたのはこれだったかもしれないとすら思う。聴いていると失いつつある十代の頃の感覚が鮮明によみがえってくる。そんなもの早いとこ失ったほうがいいのは分かってるんだけど、浸ってるのも嫌いじゃないからまたこれからも聴くし、色んなことを思い出そうとしていくと思う。そのくらいの贅沢は許されていたい。

4s4ki「超破滅的思考」

聴いた回数で言えば「おまえのドリームランド」のほうが上なんだけど、今アサキの曲でどれが一番好きかってったらこれ。逃げ場がない感じがして良い。永遠に聴ける。

椿屋四重奏「フィナーレ」

何故か椿屋四重奏のリバイバルブームが自分の中で起こった年でもあった、2021年。思うに、冷めた/醒めた(有泉智子が好きそうな書き方だ……)音楽をここ数年ひたすら好んで聴いていたせいで、揺り戻しが来たのだと思う。椿屋の熱さが欲しくなった。そういう時期が来たということだったのだろう。あと普通にファンのくせに「薔薇とダイヤモンド」「RED BEST」「孤独のカンパネラを鳴らせ」以外のアルバムをほとんど聴いてなかったから、その他のアルバムの曲を初めてに近い状態で聴いて新鮮な喜びを得られたのも大きい。改めて大好きなバンドになった。

今回はここまで。次回はたぶん来週の土曜。漫画、アニメ、本などについて語る予定。

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