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【白金酒造の和っていい話】カビと焼酎と蔵人

蔵人です。今日はカビのお話を。


本格焼酎を造るうえで欠かせない微生物がこうじ菌こうぼです。

こうじ菌はコウジカビとよばれるカビの仲間です。


カビといわれると皆さんはどんなものをイメージするでしょうか?

お風呂の黒カビ、腐ったミカンの青カビ、ほかにも赤カビやら白カビやら緑カビまで。

まるで戦隊ですが、正義の味方とはいいがたい輩です。


それらとは一線を画す有能なカビがこうじ菌です。

しろきんぱち、ではなくしらかねはち先生です。
あしからず。


焼酎製造に使われるこうじ菌は白麹菌、黒麹菌、黄麹菌がありますが、

黄麹菌は奈良時代の文献にもでてくるようで、室町時代にはすでにこうじの専門業者まであったようです。黒麹菌(白麹菌は黒麹の突然変異種)が南九州での焼酎製造に利用され始めたのは明治後期から大正初期の頃ですが、それ以前も琉球で脈々と受け継がれていたようです。


こうじ菌と同属(コウジカビ属)の近縁種には生物界最強との呼び声高いアフラトキシンというカビ毒を生産するものや、病気の一因となるものもあります。

ですが、こうじ菌は遺伝子的にも全く毒をつくらない、家畜化された安全なカビです。


見分け方は?と聞かれても、イヌとネコを見分けるほど分かりやすいものでもなさそうです。分類上も「コウジカビ属」と日本語表記されているので余計ややこしい…。


醸造の世界では麹屋さんの純粋に培養した種麹を買って使うのがセオリーです。

そこらへんのカビの生えたのは使っちゃダメ、絶対。

そこらへんのカビは使っちゃダメです。

日本の食文化はこうじ菌の利用により発展しており、

日本を象徴する微生物として、こうじ菌は「国菌」に指定されています。


その発見から利用に至るまで、人の食にかける情熱は素晴らしいです。

ひもじかっただけかもしれませんが…。


ちなみに米にこうじ菌が生えてくると甘くておいしいんです。黒麹や白麹はそこからすっぱにがくなります。これには理由があるんですが、こうじ菌の働きと含めて、そのうちお話ししましょう。



蔵人のカビの思い出は、ご飯炊いてスイッチ切ったまま忘れて4、5日経ってパカっと開けた時の絶句です。…ほんとどこにでもいるんですよね。

note編集担当より

メキメキと頭角を現す蔵人さんの焼酎の知識と画力。
今回はまず「こら、加藤!腐ったミカンはーーー」のくだりが全く分からず、元ネタを聞き出し、3年B組金八先生の「腐ったミカンの方程式」が元ネタだったとは、、、
焼酎の知識もそうですが、「そこ!?」というツッコミをしたくなるネタを提供してくれる蔵人さん。

いつもありがとうございます。

さてそこで問題です。
最後の「アパァ~アァ ナァ~ガ マァ~ポォ~♪」が分かった方はコメントください。
私はいまだにわかりません。

(ヒントは芸人、バンビーノの馬が捕まった時に流れる…。)

次回をお楽しみに!

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