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『一縷(いちる)シリーズ』

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一縷から始まる父子の20年に及ぶ歳月を描いたノンノンフィクションストーリー。
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#少しだけ

【再逢(さいあい)】

【再逢(さいあい)】

そう男は全てを諦めた。

何せ3ヶ月ぶりの再会である。
覚えているはずがない幼子が。

泣かせてしまうかもしれない。
それはもう覚悟していたはずだった。
それでもいいから逢いたかった。

しかしいざ目の前にしてみると、
再会の感動よりも、怖かった。
とにかくもう、それは怖かったのだ。

忘れられているという恐怖に呑まれた。
どんなに自分を納得させようとしても、
とにかくもう、そら恐ろしかったのだ。

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