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株式会社への思い

会社設立

2022年8月25日、これまで任意団体として活動していた信州白樺クラフト製作所を株式会社として登記しました。

森林・地域・公共・サステナブルという社会的テーマの高い事業なので、NPOにすることも考えて最後まで迷いました。

それでも最終的には「白樺林を保全・再生する取り組みを通して新たな産業基盤をつくる」という目的に立ち返り、きちんと収益を上げられる会社をつくり、長野県立科町の白樺高原で持続していく産業にするという結論にいたり株式会社を選択しました。

子どもに名前をつけるのと同じで、そうあってほしいという願いでもあります。

目指す未来

循環イメージ

循環をつくる

以前の記事でも触れていますが、白樺高原では20〜25年前に8万本の白樺を植林しています。寿命50年と言われる白樺はあと30年後には寿命を迎え、このままでは「白樺高原なのに白樺がない」状態に戻ってしまいます。

これから次世代まで長く白樺高原の景観を維持していくことを考えると、20年前と同じように植林する方法もあると思いますが、大切なことは白樺に価値をつけて製品化して収益を出し、森や地域に還元する仕組みを整えることだと思っています。

「保全と利益とどっちが目的なの?」と聞かれることがあるのですが、どちらかだけでは森の循環を目指すことはできません。その両方を目指す会社としてこれから育てていきたいと思っています。

地域に開かれた場をつくる

サステナブルな森づくりを地域とともに

私たちが管理している森はすべて公有林です。
だからこそ、白樺を中心に人と人がつながり、資源と喜びが循環する、小さいけれど豊かなコミュニティを地域のみなさんとつくっていきたいと思っています。
そのための具体的な取り組みをご紹介します。

1.白樺Lab
週に二日の活動日である「白樺Lab(ラボ)」に誰でもご参加いただけるよう、毎月情報をお送りしています。
※これまでに仲間募集説明会にご参加いただいた方が対象になります

2.白樺の収穫
年に一度、6月末から7月頭にかけて白樺の収穫を行います。このときは広くお声がけし、40名以上の方と白樺の森に入って葉や樹皮などを収穫をします。

3.白樺樹皮細工「育成コース」
白樺樹皮細工のつくり手になることを目指す方向けに、月一回の「育成コース」を実施しています。毎年4月頃に広く募集をかけ、選考を経て合格された方にご参加いただいています。

白樺をめぐる活動をきっかけに、この地にさまざまな交流や手仕事が生まれ、ともに森や子どもや地域を育む輪が広がるといいなと思っています。

道を照らす事業に

蓼科野外音楽堂にて

白樺は他の樹木と比較して柔らかく、耐朽性や保存性が低いために、木材としての価値が認められずにいました。

その白樺に光を当てて価値をつけることが、私たちの使命です。白樺のよさを知ってもらい、多くの人にその魅力を届ける道筋をつくることで白樺ファンを増やしたいと思っています。

そのためには、関わってくださる方のご協力が不可欠です。

家から外に出られない20代の女の子が「この仕事ならできる」と言って白樺細工の材料づくりを手伝ってくれています。
また「子どもが手を離れてきたので第二の人生を歩みたい」と、白樺樹皮細工の育成コースに参加してくださっているお母さんがいます。

このことが私にとっては希望で、おごりかもしれないけど、白樺の道筋をつくることで地域の未来や関わる人の道も照らしていけたらと思います。

共同創業

左から副代表 牧内久美、広報 吉田達矢、代表 渡部ゆかり

このように大きな夢を描いてみたものの、今はクラウドファンディングで商品開発費用を賄わせていただいているのが現状です。

安定した事業化にはいくつもの課題があります。
先の長い目標を前に、私一人では会社を設立することに躊躇していたと思いますが、一緒にやろうと言ってくれる心強い仲間がいるので、思い描く大きな理想を胸にチームでチャレンジしたいと思います。

頼りになる製作リーダーの牧内久美さん、長年広告業界に関わり幅広い知識と経験をお持ちの吉田達矢さん、本当にありがとうございます。不束な代表ですが、今後ともよろしくお願いいたします!

株式会社信州白樺クラフト製作所
渡部ゆかり

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