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白樺の今とこれからの話②

(2022.11.24更新)こんにちは。信州白樺クラフト製作所です。
第二回目は、白樺の生育についてのお話と、ここ信州白樺高原の白樺たちについて書きたいと思います。

パイオニアツリー

白樺は、樹木などがまだ生えていない荒地(伐採後や土砂災害、山火事跡)に真っ先に種を飛ばして育つパイオニアツリー(先駆性樹種)※と呼ばれています。これらの樹木は他の木が生きていけないような強い日射しや乾燥・低栄養・寒冷等の厳しい環境下でも自分の力でたくましく生きていくことができます。このパイオニアツリーが落とした葉や枝が朽ちて土壌の栄養となり、他の樹木が育ちやすい環境を作ります。

しかし後から入ってきた他の樹木が大きく育ち、光を遮られると徐々に元気を失ってしまいます。そこで役目を終えるように枯れてしまうものも多いため、パイオニアツリーの寿命は短いものがほとんどです。白樺の寿命も約50〜60年と言われています。
※パイオニアツリーは白樺の他にもアカマツやタラノキ、ヤマウルシなどがあります

大規模な植林

①の回でもご紹介した通り、ここ信州白樺高原は、全国有数の美しい白樺林のある観光地です。この白樺は、平成10年から7年の歳月をかけて約8万本もの植林を行いました。当時カラマツなど他の樹木に追いやられて「白樺高原なのに白樺がない」状態だったため、名前にふさわしい景観を取り戻そうと「みんなでつくろう白樺の道」をスローガンに毎年植えていったのです。

2001年の植林の様子

その植林から20年を経た現在。今は当時の方々の期待通りに美しい白樺が私たちを包み、観光のお客様を迎えています。
一方で、自生する白樺と植林した白樺が密集しており、元気に育つ環境が整備されているとは言えず、一本一本が細々としているという課題もあります。

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密集する白樺林

寿命50〜60年という短命の白樺は、あと20〜30年もすれば寿命を迎え、景観は変わり果てて再び「白樺高原なのに白樺がない」状態になってしまいます。この白樺林を継続的に守り、美しい景観を保つためには間伐等を行い、数年にわたる計画的な整備が必要です。
そう、こんなところでもソーシャルディスタンスが求められているのです!

放置される白樺

木と木の間隔が狭ければ間伐(間引き)をする。林業ではごく一般的なことですが、白樺においてはこの"間伐"や"手入れ"という概念があまりありません。
なぜなら、マツやスギ等の一般の樹木と比較して白樺はとても柔らかく、耐朽性や保存性が低いために木材としての価値がとても低いと言われてきたためです。

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その性質上、台風や災害時などには真っ先に倒れやすいのですが、それでも白樺はそのまま放置、仮に間伐をしても切り捨て間伐(伐採後に搬出せずに放置すること)で済ませるという"常識"が林業にはあります。

私たちは、白樺高原の美しい白樺林を守る取り組みを通じてこの常識を変えていきたいと思っています。

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続きはまた次回!
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