【新卒向け】家庭用とアプリの売り方の違い
家庭用ゲーム機とスマートデバイスのゲームは、
ゲーム内容も売り方も大きく違います。
■購買目的の違い
家庭用ゲームソフトの場合は、お客さんがソフトを買ってくれれば良いのでお客さんが納得して買う意思を持たせるのが大事です。
キャラデザイン、ゲームグラフィックのクオリティ、ゲームシステム、メーカーやクリエイターのブランドとか。クリエイティブ(広告)がヒットキーになります。
一方スマートデバイスは、お客さんが無料でダウンロードするので、お客さんが遊んでお金を払う気持ちにさせるのが大事です。
先のステージに進みたい、あの敵を倒したい、ライバルに勝ちたい、他のプレイヤーの上に行きたい、友達と楽しみたいとか。マーケティング(宣伝)とデータ分析がヒットのキーになります。
■開発の違い
開発に目を向けてみると、家庭用ゲームソフトを作る場合、売り切りゲームの時は中古対策が悩みのタネになります。中古対策をしないと以下の負のスパイラルに落ちます。
1,ゲームに飽きられると中古に流れる。
2,安い中古を買われると新品が売れなくなる。
3,新品が売れないとワゴンで売れられる。
4,ワゴンで売られるとブランド力が落ちる。
5,ブランド力が落ちると続編を作れない。
中古で安くゲームが買えることはユーザーにとって嬉しいことですが、メーカーとっては客が逃げる(新品で買わない)ということです。中古の売上はメーカーには入らないので、何も良いことがないのです。パッと見た時のクリエイティブ(広告)が大事なのです。
なので家庭用ゲームソフトは、
・ボリュームを多めに作る
(周回プレイ、マルチエンディング、やりこみ要素など)
・小出しのバージョンアップ
(発売後、キャラや機能などを徐々に内容を充実させる)
・追加DLC
(小遣い稼ぎというより、中古に流さないのが主目的)
などの対策を執拗に求められます。
スマートデバイスを作る場合、無料スタートの時は
リテンション(続けて遊んでもらう)が悩みのタネになります。
リテンションを考えないと以下のスパイラルに落ちます。
1,ゲームに飽きられると起動しなくなる。
2,アプリと立ち上げないとDAU(1日のユーザー数)が下がる。
3,DAUが下がるとARPPU(ユーザーの平均課金額)が上げざる得ない。
4,ARPPUが上がると、遊ぶのにお金のかかるゲームになる。
5,2~4が連鎖してサービスが終了する。
これは負のスパイラルの一例ですが、無料スタートのゲームは、DAUが多いことが絶対的な正義です。ユーザーが多いと協力プレイやランキングが盛り上がりますし、低いARPPU(ちょっとの課金)でも楽しめる設計にできます。なので、ユーザーに常に認知してもらうマーケティング(宣伝)とプレイヤーどこに飽きや不満を感じているかのデータ分析が大事なのです。
なのえ、スマートデバイスのゲームは、
・毎週に新しいイベントが開催される
(ユーザーを飽きさせないよう遊ぶ目的を作る)
・定期的に機能改修
(遊びにくいところを改修しユーザーの不満を減らす)
・ホリデーシーズンに盛り上げる
(CMやキャンペーンをやって新規、復帰ユーザーを獲得する)
などの施策を行うことが必須になります。
同じゲームでも売り方、作り方の悩みが大きく違います。
では、これらをどう上手く設計するかの話をしようかと思います。
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