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研究者日記 Day25  生い立ち…その1

今日から私の生い立ち…というか、なぜこの分野に足を踏み入れたのか…を数回に分けて書きます。

水中考古学と聞くと、浪漫とか、子供の頃からの夢とか、なんかカッコいいイメージがあるかもしれませんが…

はっきり言って、なんとなく、なりゆきです

今でも、なんで自分がこの道を進んでいるのか、不思議に思うことがあります。ですが、自分の選んだ人生に一片の悔いなしです。そして、今では自分を突き動かすものは、使命感です。

子供のころは、宇宙の起源が好きでした。おそらくNHKかなんかのドキュメンタリーでビックバンセオリーとか見て影響を受けたような気がします。

幼稚園の卒園アルバムの将来の夢は「博士」でした
先生のコメントは、「宇宙の話、また聞かせてくださいね!」とのこと
 
たぶん、その後は恐竜にはまり、シルクロード特集を見て歴史・考古学に目覚める。裏山で縄文土器を拾っては家に持ち帰り、くっつけていました。今思うと、縄文前期頃の土器片だったかと…。

中学・高校は、歴史・考古学の本を読むのと、言語を学んでました。ヘブライ語、ギリシャ語、韓国語。まあ、あとは、ギターですね。それなりに弾けたんですが、あまり才能がないのかな~と。でも、プロを目指せたなら…と思っています(大学院時代はドラム、今はカホン、ウクレレ、ベース、様々な民族楽器などなど)。

高校1~2年生の頃には、メソポタミア文明とインダス文明が好きだ!と言ってた記憶が…。まあ、アメリカで考古学を学んでみるかと高校卒業後すぐに渡米。母の実家のあるミネソタ州へ。確か、3月13日から授業が始まったと思う。3月1日に卒業し、引っ越し、直ぐに大学生になった。

考えてみると、ついこの前まで大学院に所属していたわけだ。同学年の中で一番最初に大学で授業をはじめ、そして、おそらく、一番最後まで学生だった。自慢できることではないよな…。そして、まだ大学にいる(教員としてだが)。

アメリカでは、考古学は人類学の一部である。

Anthropologyの4つのフィールドがある
 Cultural 
   Biological
   Linguistic
   Archaeology 

      Archaeoogy【考古学】は、人間の過去の文化を学ぶ。

日本の考古学とアメリカのArchaeologyの違いは、面白いトピックだが、書くのが面倒。ニュアンスの違いなんだよね。特に博物館学、モノを文化財としてみる考え方とは全く違う。これは貴重なモノです、という考えかがあまりなかった。モノ自体ではなく、そこから過去の人類の文化が学べることが重要であると。

まあ、それまで日本で読んできた考古学の本とはアプローチが違っていたので面白かった。どっちかというと、いろいろと帝国の名前とか土器の編年とかを覚えることが多いイメージだったが…大学の考古学の授業は違った。なぜ土器の様式が変わったのか、その理由を考えさせられたりとか…。昔の著名な考古学者であるBinford氏の影響が色濃く出ていたような気がします。

さてさて、おそらく、相当初期の授業の中で水中考古学に出会っていた。指導教授が水中考古学が好きで時々話していた。本人は砂漠の考古学者ではあったが…

指導教授は、Juris Zarins教授。2023年に帰らぬ人となった。まあ、面白いおじさんだった。いい加減というか、いや、放任主義(良い意味で)。ジョークが好きだけど、今では完全なパワハラや問題発言の連発だった。敵はいたようだが、私は大好きな先生だった。

  https://www.news-leader.com/obituaries/snl147765


おそらく、今、日本で水中考古学を目指している人の多くは、水中考古学との出会いについて話すことができると思う。○○の本を読んだ、テレビで△△を見た、など。

自分がいつ水中考古学と出会ったか、私は、ハッキリ覚えていない。授業の中で、普通にサラッと出てきた。水中にも遺跡があるということは、別にごく普通のこととして、何も特別なことでも何でもなかった。ローマ時代の都市遺跡もあれば、縄文の住居もある、そして、3000年前の沈没船もある。

そう、アメリカの大学の授業の中では水中遺跡は、ごくありふれた空気のような(?)存在で、特に気にも留めなかった。

さて、それがなぜ水中考古学に目覚めたのか…? 続きは次回にでも!

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