「働く」を彩り、人生を豊かにする-湘南ITベンチャー企業の新ビジョン決定までの700時間の道のり
皆さん、こんにちは。
シッピーノ株式会社のなみおかです。
シッピーノ株式会社は、神奈川県茅ヶ崎市にあるIT企業です。
主な事業内容は、EC出荷の自動化ツール「シッピーノ」や、ECに特化したノーコードツール「TēPs (テープス)」の開発・運営です。
自然豊かな海沿いの湘南エリアで、オフィスのベランダで海を見ながら仕事ができる環境が整っています。
代表の田渕が、好きなことを自由にできる環境で働きつつも、常に高いバリューを生み出すチームを創る体制を確立し、その価値観に共感してくれるメンバーとともに成長していきたいという想いから、2010年に起業しました。
今回は、シッピーノのビジョンを再構築した話について記事をまとめてみました。
メンバーが考えていることのズレが大きくなってきた
私たちの会社に全くビジョンがなかったわけではありません。
以前は「皆が最大限のバリューを発揮できる環境を作る」という企業理念があり、皆が同じゴールを目指すために定めたものでした。
しかし、経営陣で理念を決めたという経緯もあり、理念を定めた背景や想いがしっかり共有できておらず形骸化してしまい、組織ゴールの共通認識が持てていないという問題がありました。
共通の目標がないことが原因で、メンバー間の軋轢が起きてしまったり、コミュニケーションコストが増大していったり。経営層、マネージャー、メンバーの間でも考えていることのズレが大きくなっていく感覚がありました。
さらにメンバーの増員もあったり、新サービス「TETRA」の開発を進めるタイミングでもあったため、このタイミングで組織ゴールとなるビジョンを改めて考え直し、ドライブをかけて一体感を持ったうえで成長していきたいと考えました。
人生の全領域における個人ゴールの設定
そしてビジョンの再構築に向けた活動がはじまりました!
まずは、社内メンバーの人生全領域における個人ゴールを設定し、組織ゴールとのつながりをつくっていくことで、個人と組織が共にHappyな組織になることを目指していきました。
一番最初に取り掛かったのは「人生全領域における個人ゴールの設定」です。
CHROの茂木とメンバー全員が1on1コーチングを行い、「個人の価値観の明確化」と「個人ゴールの設定」に取り組んでいきました。
価値観の明確化によってでてきたWant to(自分が得意で好きなこと)をもとに人生の全領域に対する個人のゴールを設定していきます。仕事・趣味・お金・健康・家族・知性・社会貢献・人間関係の8つのゴール設定を行うことで、人生が豊かになっていくという考え方です。
メンバー全員で「組織ゴール」ワークショップを開催
次に取り掛かったのは「組織ゴール」の言語化です。
個人ゴールの延長線上に組織ゴールとなる「ビジョン」があるという考え方です。皆で対話をして創りながら体現していきたいという想いから、オンラインでも一体感を持ったコミュニケーションをとることに重点を置きました。
そこで、業務委託を含めた社内メンバー全員を対象に、オンラインホワイトボードツール「miro」を使い、組織ゴールについてざっくばらんに話すワークショップを開催しました。
1回目はCHROの茂木によるファシリテーションのもと、「ビジョンの前段階の“組織ゴール”の達成のために、どんなことを大事にしていきたいか」のアイディア出しを行いました。「miro」上の付箋で個々にアイディアを書きだし、グループごとに付箋のまとめ作業を進めていきます。
オンライン上で意見を言うことが苦手な人もいるので、3~4名の少ない人数でグループを分け、少人数で議論を行いました。
ちなみにこんなアイディアがでました。
<組織ゴール達成のために大事にしたいこと>
・健全な議論・意見を言い合える関係性
・お互い高め合い、成長・進化のためにサポートし合う
・お互いへのリスペクトを持てるようにする
・心に余裕を持って働く
・技術や仕組みで課題解決できるという気づきを社会へ与える
2回目のワークショップでは、アイディアを組織ゴールに近づけていくために、「そもそも会社のビジョン・ミッション・バリューとは何か」を解説していきました。そのうえで、社会や顧客に対してどんな影響を与えていきたいか、シッピーノはどうしていきたいかをメンバー全員で意見をだし合いました。
企画メンバーで「ビジョン」の結晶化を
3回目~8回目までは企画メンバーを募集し、組織ゴールをビジョンとして一言に結晶化していく作業に取り組みました。企画メンバーは立候補制で8名集まりました。
このビジョンを言葉にしていく作業がとても時間がかかりました。
「1回目、2回目で挙がったアイディアをどうすれば一言に表現できるのだろう」という壁にぶち当たったのです。
ビジョンは「究極の理想の状態」。社会・顧客・従業員・パートナーなど、相手がシッピーノに関わることでどんな価値があるのか考える必要があります。
何度も対話を重ね、企画メンバーが大切にしたいキーワードが結晶化されていきました。でてきたキーワードは「彩り」や「豊かさ」です。キーワードをつなぎ合わせてできたビジョンの案が「“働く”に彩りをつくり、人生を豊かにする」です。
9・10回目は、企画メンバーで決めたビジョンの案を社内メンバーに共有し、素直に受け入れられるか、言葉の表現に違和感がないかのすり合わせをしました。
そして、最終的に決まったビジョンがこちら。
「『働く』を彩り、人生を豊かにする」
「ビジョン」共創にかけた時間は1年半で約700時間
2019年4月から始めた個人ゴール設定と組織ゴールとなる「ビジョン」の共創は、最終決定した2020年12月までの1年半で約700時間も時間をかけてきました。
結果として、全メンバーの個人ゴールと価値観が明確になり、ビジョンと絡めて自発的に新しいチャレンジを行うメンバーもでてきました。
そして、新たな社内の取り組みも生まれていきました。その一部を紹介します!
【豊かさを感じる瞬間をSlackで共有】
日常生活で「『働く』を彩り、人生を豊かにする」を感じた瞬間を社内Slackの「彩り豊かさ共有チャンネル」でシェアしています。リモートワークのデスク周辺の環境を整えたり、おすすめのコーヒーやリモート先での景色をシェアするメンバーもでてきています。
【ワーケーション支援制度の導入】
ワークショップでは、働き方についての意見が多くでました。例えば「心に余裕を持って仕事をする」「自由に働く場所を選択できる」という内容です。それを実現することで、皆がバリューを発揮できるのならと、ワーケーションの導入を決めました。箱根や熱海の旅館と提携し、小額の自己負担で温泉旅館で仕事をしたり、そのまま宿泊したりできます。
【社員の声を形にした初の入社式】
2021年4月1日に当社初となる新卒が入社!それに伴い初めて開催した入社式では、会場とオンライン参加メンバーで一体感を感じられる運営にチャレンジしました。また、有志メンバーでオフィスの飾り付けを行い、花言葉が「門出」の意味を持つスイートピーを新入社員へ贈りました。他にもオフラインとオンラインを融合させたイベントを開催しています。
【趣味の時間を共有】
人生の豊かさを考えた時に、趣味の時間を楽しみたいというメンバーもでてきました。釣りやジョギング、サウナ、ボードゲーム、ボルダリング、クッキングなど趣味の時間を大切にしたい人が集まって、素敵な時間を過ごしています。
また、今回ビジョンの再構築を始めて約二年、退職を決めたメンバーがいないという成果もでています。全社で情熱を注いで進めてきたプロジェクトの副産物として、こういった成果はとても嬉しいです。
「ビジョン」は体現してこそ意味がある
今回は、シッピーノのビジョンを再構築した話について書いてみました。
~組織ビジョン再構築のポイント~
・社員全員の人生の個人ゴールを設定
・個人ゴールと結びつけるための、組織ゴールを全員で言語化
・有志メンバーで、散りばめられたビジョンのかけらを結晶化
今回、共創したビジョン「『働く』を彩り、人生を豊かにする」は、一度決めたら終わりというものではありません。
なぜならビジョンは、一人ひとりが体現して、バリューを発揮してからこそ意味を成すからです。メンバー個々のバリューの発揮状況によって、今後もアップデートしていくものだと考えています。
今後も「ビジョン」を体現していけるように様々な取り組みを行っていきます!
▼シッピーノ株式会社
https://shippinno.co.jp/
▼物流サービスと連携し受注処理から出荷完了までを完全自動化するサービス「シッピーノ」
https://www.shippinno.net/
▼ECに特化したノーコードツール「TēPs (テープス)」
https://teps.io/
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