さなぎでいれない私たち −−− 十二月⑧ −−−

 彼はあくまでも冷静だった。言葉が強くなってもそこには何の熱もなくて、ただ淡々と私を批判しているように思えた。

「君はキヨに、ただ願望を押し付けているだけだ」

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