さなぎでいれない私たち −−− 一月② −−−
新学期が始まり、また校長の長々しい話を聞いた。
受験は団体戦です。なんちゃらかんちゃら。
申し訳ないけれど、単語帳をしたいから黙ってくれ、と言いたかった。それでもこっちの事情なんて知ったこっちゃない、というように集会は当初の予定より長引き、、次の授業時間は削られて残り二五分しかなかった。
担任は、「時間ないから早く授業準備して―」と言った。それに権田くんが、「自習じゃないんですか、次、『参考』の範囲ですよね」
といつもみたいなケンカ腰で言った。もう、彼が反抗的なことに対して私は何も思わなかった。疲れていた。
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