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私の絵に値段が付いた日
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ずっと仲良くさせて頂いているお客様から、LINEを頂いた。「サエコさん、絵描いてください」え?え?え!
子供の頃、好きだったこと
私は子供の頃から、どちらかというとインドア派。外で遊んだ記憶よりも、本を読んだり、着せ替え人形でごっこ遊びをしたり、家の中でよく遊んでいたように思う。
マンションで育ったのだが、下の階に2歳年上のお姉ちゃんが住んでいて、いつも遊んでもらっていた。
すごく覚えているのが、そのお姉ちゃんとチラシの裏に「うちの横の大きな空き地に、何が出来たら嬉しいか」というお題で絵を描いたこと。
ジェットコースターとメリーゴーランドがあるだとか、なんでも売っているおもちゃ屋さんがあるだとか、マンションから滑り台で繋がっているだとか、そんなような妄想を繰り広げて描いていた。楽しかった。
そして、偶然か、必然か、そのお姉ちゃんも私も芸大に進んだ。
夢からの挫折
このフェーズは書くと長くなりすぎるので大幅にカットしたい。芸大に入って挫折したのだ。
そして、私はなんの思い入れもない化粧品会社に、しょうもない理由で入り、そこから美容業界に15年間も従事することになる。(意外と楽しめたし、向いている部分もあった)
持ち前の真面目さ「だけ」で、実績も残せた。そして、38歳で起業した。
45歳、子供の頃の夢を叶える
お客様に恵まれて、起業から7年目を迎えたころ、ある人間不信が引き金となりメンタルを崩した。そして、それをきっかけに働き方を見直した。
「せっかく個人事業主として自由に働けるのだから、やりたいことをやればいい」妄想手帖®︎に色んな妄想を描いた。(オリジナルの手帖を作って販売しています)
そして、思い出したんだ。「私は絵を描くことが好きだった」
あの頃を取り戻すとき
子供は10歳を過ぎた途端、一気に手が掛からなくなった。休みの日なんかは、ケータイで友達と連絡を取り合い、勝手に遊びに行く。
45歳。美容業界に15年いたことを考えると、また1から何かをはじめれば、60歳でそれなりの形が作れるのではないか。最後のチャンスだ。
私は、全く未経験の状態から、革の染色師になることを選んだ。
筆を握って過ごす、幸せな日々
この転身は、正しかったと思えている。染色作業をしていると、ふとした時に、ノスタルジックな気持ちが押し寄せてきたりする。
こういう感覚は、わたしにしかわからない。人には「なぜ今更?革のカラーリング?」と散々呆れられた。それも当然だ。
幼い頃の楽しかった思い出。高校時代には、ひたすらにデッサンを描いたこと。そんな事は私以外、誰も知らないのだから。
私の絵に値段が付いた日
革の染色師として筆を握る日々を過ごしていると、ある日突然、お客様から絵のオーダーを頂いた。「描いてもらえますか?」
メニューを提示していたわけではなかったので、このご依頼は、かなり衝撃的だった。衝撃的に嬉しかった。
染色師になる1年前あたりから、私はペン画を描いていた。それをSNSにUPしていたのを、見てくださっていたのだ。
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この度は、絵のご依頼をありがとうございました。
チラシの裏に絵を描いていたあの頃の私が喜んでいます。
サエコ
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