円 【詩】
さいきんは
社会というものに興味をなくして
円を描いています
裏庭にきつねがおりましてね
よく化かしに来たものでしたが
もう 愛想を尽かされました
竹藪がざわざわする頃には
ただ円を描いています
謡もやめましたが
まあ ときどき
円を吟じています
愛想のカケラもないところがいい
ただ 記憶はしておりません
何ひとつ覚えていないのです
漢詩だったと思いますが...
ああ眩暈がしてきた
もう寝ます
××
さいきんは
色というものに興味をなくして
モノクロです
言葉も忘れていきます
円を描いています
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