思ってもみなかった事態 【自由詩・ナンセンス詩】
空があまりにも青いので
天国の裏側がよじれて
核融合が始まりました
(エネルギーは尽きることなく
国民の受ける恩恵は計り知れない)
想像してご覧
井戸の中から無限のパワーがあふれて来る
地球のど真ん中から
びゅーびゅーと
魔法の風が吹きつける
(エネルギーは尽きることなく
国民の受ける恩恵は計り知れません)
私は動揺しています
思ってもみなかったことが
次々に起きているのです
予期せぬ方向から火の手が上がるので
一国の総理として
思わず泣きそうになってしまいます
ところで
ある詩人はこんな詩を書いたそうです
虹が立てば
さわれないことがわかっていても
さわろうとしてしまう
そこに湖があれば
歩けないとわかっているのに
歩こうとしてしまう
−–とても含蓄がある詩だなあ。次の演説に使いたいのだが...
−–いいえ、ダメです。こんな陳腐な詩では支持率が下がります。
次の日から
総理大臣は行方不明になり
大騒ぎ
置き手紙がありました
(最近流行の詩集を読んでみたのですが
わけがわからないので顎が外れてしまい
しばらく静養します)
思ってもみなかった事態です
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