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毎日俳句の書き下し

★露霜の籬(まがき)に猫の捨てられし

息が白い。吐く息が闇の残る夜明けの薄暗い冷えた空気に消える。路地裏を通れば露か霜か見分けがつかぬ白い膜に覆われた更地に籬(まがき)が備えられている。何か小さく黒いシルエットが蠢く。氷を切るように土をザクザク踏み鳴らして近寄ればみゃおみゃおと捨て猫が力なく鳴いていた。


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