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こだわりがありそうな人

ついこの間、もう入手することのできない大好きな写真集をメルカリで買った。

とても綺麗な状態でお買い得だし、出品者さんもいい人だし、とてもいい評価だったのだけど、1つだけ謎だったことがある。

本の梱包に使われていたプチプチを固定するシールが−18℃以下で冷凍保存

だったのだ。

もちろん、本なので冷凍する必要はないし、単にシールが冷凍保存だっただけで、冷凍保存されていたわけでもない。
けれど、なぜ冷凍保存なのだろうか?
ととても気になってしまった。
他の部分は透明のテープで一般的な梱包だったし、袋もクラフト紙のよく書類を持ち運ぶアレだ。
でもそこだけ、なぜか冷凍保存…

どうしても気になったので、私は仮説を立ててみることにした。

仮説1 「目の前にそのテープしかなかった」

至ってシンプルで、目の前にそのテープしかなく、めんどくさくてしょうがなく冷凍保存を貼った。
いや、でも普通に考えたら、取引だからめんどくさいよりも一般的をとるのでは?と思ってしまった。
人によるか。
まだ仮説1なのでとりあえずここまで。

仮説2 「こだわりがあった」

こちらもシンプルで、こだわりがあったのではないか?という仮説。
もしこだわり抜いてあのシールを貼ったとするのなら、この文章を書いているのがとても申し訳ない。
こだわりがあったなら、敬意を込めて、購入者にそのシールを貼る理由がわかるような気がする。
もっとも有力な説かもしれない。

仮説3 「適当」

そろそろネタがなくなってきた。何にしようかと考えているのがこれだった。むしろこれしかなかったと言っても過言ではないほど有力な説だ。
でもとてもいい人だったし、とてもいい写真集を買っているこの人が適当なわけない…と、いいように変換されてしまう。

3つの仮説に基づき、私が最終結論として出すのは…

結論 

「適当に貼ったけれど、自然とこだわりがある人のようになってしまった」である。

どうしても「こだわりがあった」という説が抜けなかったので、考えられる2つの説を合わせてみた。
少しそれっぽい。
多分きっと、出品者さんは適当に貼ったのだと思う。(シールの下側も少し敗れていたし)
けれど、意外性の強いシールを適当に貼ってしまったため、こだわりがある人のように見えてしまった。
きっとそう。絶対そうだ。

もし出品者さんがこれを読んだら一発でわかる特徴を書いてしまったため、この文章が映画として上映されるのなら、必ずエンドロールのスペシャルサンクスに名前が刻まれる。

なので、
「出品者さん素敵な写真集を丁寧な梱包にてお送りいただきありがとうございます。おまけで冷凍保存のシールというネタもつけて配送していただきうれしい限りです。」
と一筆、感謝を申し上げておく。

こんなどうでもいいような謎に耳を傾けているということは、変なことを正当化したいからか?

シールの謎はまだ解けてないけれど、これはこれで日常じみていて私自身が好きな文章が書けたと思う。たぶん。

(こだわりがありそうな人の写真がなかったので、写真は適当)

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