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くすぶる力を育む環境とは?

先日『くすぶる力』を読みました。くすぶっている状態からの脱し方が紹介されており、そこで立ち止まって考えることがありました。
私はIT業界のワーママ会社員で、リーダーとして何人かの後輩メンバーと1on1をしています。そのうちの1人、「問題児」扱いされているメンバーが真面目に取り組む割になかなか成長せず、本人も困っています。まさにくすぶっています。『くすぶる力』で紹介されている脱出方法を私が阻害しているのでは?と感じたのです。
この心のざわつきを考察して、後輩を育成の仕方を考えてみます。


『くすぶる力』の感想

くすぶり時代にもがくことで、実力をつけることができ、くすぶり時代を抜け出すことができるそうです。

くすぶり状態から脱するための方法が記載されています。それの前提となるのは、「自分はこれで終わらない、もっと活躍できる」と自分自身を諦めない気持ちです。そして脱するには、そんな活躍できる自分を示すだけの行動量です。

つまり、本気で今状態から抜け出したいと思うことが必要だと解釈しました。

問題の後輩メンバーとの対話

後輩との週1対話

今年度の頭に、自分の評価が低いのではないかと悩んで、課長ではなく私に相談してきました。それがきっかけで週1で1on1をしています。

意識してきたのは以下の内容です。

  • 失敗から学びを得る
    後輩は「失敗した、ダメな自分」と思って、そこで鬱々して終わってしまいます。なので、どうすればそれを防げたか?を考えるように促しています。そして行動にまで落としてもらいます。

  • 自意識過剰を中和する
    完璧主義からくる自己否定が多い人です。まずは、そう思ってしまうことを一旦受け止めます。そして、本当にそうだろうか?こんな見方もあるのではないか?と後輩の解釈を揺さぶってみています。無駄に落ち込むことを防いで、動けなくなってしまうことを回避したいと思っています。

後輩からすると自分の至らない部分をさらすことになりますが、それができる相手に私はなっているようです。

後輩のくすぶり具合

こんな特徴がある人です。発達障害の特性が強めなので、このような状態がなかなか改善されないのだろうと私は解釈しています。

  • タスク管理ができない

  • お客様の視点に立った言い方を考えられない

  • 視野が狭い(物事の捉え方が限定的)

  • 他人からの評価を非常に気にして、意識がそこにとどまる

  • 自分自身への要求が高い(完璧主義)

この後輩は「この人には話が通じない」とシャットアウトしてしまい、相談できる人がチーム内に極端に少ないです。そのため孤立して、分からないと自覚していても自己判断して、仕事でミスをおかすことを繰り返しています。

最近はそれがこじれて、適応障害を思わせる症状を口にし始めて、心配をしていました。

私はくすぶりを助長している?

『くすぶる力』を読んで、私は後輩のくすぶり状態から這い出す邪魔をしているのではないかと感じました。

なぜなら、うまく行っていない今の状態を私が受け止めてしまっているから。私との今の関係性が居心地いいと感じていそうで「抜け出そう」と思わないのではないか

私は「くすぶり」からどう抜け出た?

私は20代の頃に「くすぶり」から抜け出たと思う経験があります。
今の会社に入って2年目〜4年目の20代後半。この会社でやることが本来の私がやることではないと思っていましたが、転職するほどやりたいことやできることもない。心ここに在らずで仕事をしていた時期があり、今思えば「くすぶり時代」です。

うまく仕事が回せず、メンタル的にダウンして休職するか検討するくらいになり、自分を不甲斐なく感じていました。一方で「自分はこんなんじゃない」という自意識の高さ。

だんだんと自分が今の仕事に向き合っていないことが原因ではないかと気づき始めて、この会社で今求められることに正面から向き合う!転職とか今は考えない!と決めた記憶があります。そして「夢中になる」感覚を持ったことを覚えています。自分ごと化して考えられることが増えて、仕事の結果もついてきたように思います。自己啓発本を読むようになったのもこの頃から。

この頃、上司が半年おきに変わって抱え込んで、会社へ不満をもっていましたが、休職寸前の頃の上司が自分の内面についても知ろうとしてくれたことで、仕事をする気力が完全に消えなかったように思います。
一方で、カウンセリングにも通っていたので、いい上司に替わった話をしていたら、「上司に依存しそうになっている」と指摘され、はっとしました。

私の場合は、当時の上司とカウンセラーの2人が私に向き合ってくれたことで、自分自身に正面から向き合えるようになり、くすぶり状態から抜け出す一歩を得られたのだと思います。

後輩の場合は?

私の経験に照らすと、こんな対比でしょうか。
・職場での感情の吐き出し先:私の場合は上司、後輩の場合は私
・メンターとの関係性を正す:私の場合はカウンセラー、後輩の場合は?

私の場合を振り返って、感情を吐き出す先はあっていいと思ったので、1on1は今のスタイルで続けようと思いました。一方で、後輩が私に依存しないように客観視することが必要だと感じました。

「私に依存している」は「私との今の関係性が居心地がいい」とも言い換えられます。つまり、自分を変えようとしない、結果につながりやすい。

私と後輩の関係性を、私が客観的に見れる気はしないので、誰かに観察を依頼する必要がありそうです。

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