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ほんのちょっと、ここだけの話

子ネコが生まれたよ。

その子の瞳はダイヤモンドみたいにきらきらしていて、でもおとなの瞳に映る“それ”とはちょっと違うんだ。

小さなおんなのこが木の箱を開けて、そこにはたくさんのおもちゃがあるんだけれど、おんなのこは、その奥の方にあるダイヤモンドのおもちゃを見つけるんだ。そしたらね、その子の瞳もきらきらしだしたんだ。そう、そのダイヤモンドのほう。子ネコはその瞳ではじめましての世界を次々、次々に、もう目が回っちゃうんじゃないかってくらいおいかけまわすんだよ。それでね、疲れちゃったのか、隅っこで丸まって眠るの。どんな夢をみるのかなあ。この子はどんな人生をすごすのかなあ。

はじまりもおわりもぜんぶきみのものだよ。

ぜんぶぜんぶ君だけの愛すべきものたち。

まいにちね、しあわせのかけらをひろいあつめるんだよ。

時にはね、そのかけらが尖っていて怪我をしちゃうの。

でもね、それも含めてぜんぶぜんぶ君のものだよ。

おとなになるとね、むかしのことを思い出せなくなったりするんだ。なんというか、思い“出せなく”なのか“出さなく”なのかはわからないけれど。さっきね、はじまりもおわりもって言ったけれど、わたしはどっちもスキだよ。どちらかといえば、いまは「はじまり」の方がスキかな。

あなたがどちらをスキでもキライでも構わない。いまはなにもわからなくていい。いつかあなたが朝に日の光を浴びて瞳を輝かせるような、夜に月の光を浴びながらまぶたにしあわせを感じられるような、そんなまいにちが訪れますように。


むかし話でもなくって、きょうの話でもなくって_______


そんなわたしの

「ほんのちょっと、ここだけの話」

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