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「カレーの時間」読書ノート

「カレーの時間」寺地 はるな


昭和世代の祖父・義景と令和世代の孫・桐矢を描いた人間ドラマ。ゴミ屋敷のような義景の家に桐矢が同居することになり、そこで"カレー"がキーアイテムとして重要な役割を果たします。義景は若い頃、カレー会社に勤めていた経験から本格的なカレー作りに精通。一方、潔癖症気味の桐矢は義景の生活スタイルに戸惑いを覚えますが、カレーを囲む時間を共有することで徐々に理解が深まっていきます。

作品前半は2人のカレーを通した日常が描かれますが、義景の半世紀に渡る秘密が明かされると、物語は一転。終戦後の過酷な時代を生き抜いてきた義景の人生と、令和の平和な世の中で育った桐矢の価値観の違いに戸惑いつつも、最終的には相手を受け入れ合う様子が感動的に綴られます。

カレーは単なる食べ物ではなく、異なる世代の溝を繋ぐ懸け橋の役割を果たします。同じカレールーでも家庭によって味が異なるように、2人が織りなす物語も個性的で味わい深い。作品を読み進めるごとに、カレーの持つ温かみが2人の心の距離を徐々に縮めていく様子が丁寧に描かれています。

昭和と現代、2つの異なる時代を生きた2人が、カレーを共有する時間を重ねることで、互いの人生観を受け入れ、深い絆で結ばれていく様は感動的で、読後に温かい余韻が残る作品となっています。



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