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「正欲」読書ノート

「正欲」 
 朝井リョウ


本書では、表面上は「多様性を尊重する時代」と言われながらも、実際には様々な少数派の人々が疎外され、苦しんでいる現実が描かれています。

中心となるのは、一般社会からは受け入れられない性的嗜好を持つ人物たちです。彼らの欲求は異端視されながらも、作者自身もその正欲から逃れられないというジレンマが提示されています。完全な多様性の受容は不可能で、一定の線引きが必要不可欠なのが現実なのでしょう。

しかし、その少数派の中にさらに少数派が存在し、表面化しにくい人々の苦しみや疎外感もまた描かれています。社会から見えにくい立場の人々の気持ちを想像することこそが、本当の「多様性」の尊重につながるのではないかと本作は訴えかけているように思われます。

一方で、そうした少数派同士が理解し合うことで、救われる場面も描かれています。完全な受容は困難でも、少しずつ理解を深めていくことの大切さが示唆されているのです。

つまり、この作品を通して、「多様性」がキャッチフレーズ化されがちな中で、一人ひとりが本当の意味での多様性を自覚し、他者への思いやりを持つことの重要性が説かれているといえるでしょう。



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