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【イベントメモ】DOUBT! THE MARKETING.~そのマーケティングを疑え~

5月17日(金)にヤフー株式会社が主催するYahoo!DOUBT! THE MARKETING.~そのマーケティングを疑え~に参加させていただいた。
その際のメモの整理がやっと終わったので、noteに共有。

※ちなみにツイッタラー枠としての参加だったにも関わらず、報道関係者としての扱いを受けて非常に申し訳ないような気持ちになった。

■Opening Remarks 代表 宮澤さんのお話

2019年、Yahoo!は大変革の年になる
‐海外の代表がいなくなり、ソフトバンクのグループに入る
‐ホールディングス化
参考記事:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/25/news127.html
‐マーケティングチームもチームとして変わってきている

※宮澤さんも昨年はスーツだったが、今年はTシャツでラフな格好に

本セミナーの開催目的:
日本のマーケティング業界を進化発展させていきたい

■パネルディスカッション①「DOUBT! THE CREATIVE.」

明石 ガクト氏(ワンメディア株式会社 代表取締役/CEO)
鈴木 瑛氏(ByteDance 株式会社 X Design Center/Head of X Design Center)
朴 正義氏(株式会社バスキュール 代表取締役)
渡辺 裕介氏(CHOCOLATE Inc. 代表取締役)
モデレーター:
井上 大輔氏(ヤフー株式会社 メディアカンパニーマーケティングソリューションズ統括本部マーケティング本部長)

・時代による広告の変遷
昭和:広告は楽しいもの。みんな大好き
平成:アドブロッカーが3年連続有料アプリの人気1位になるなど、広告は嫌われものに
令和:データやテクノロジーを「楽しい」「わくわく」に使い、広告を好かれるものにしたい

※本セッションにおける広告の定義:企業のマーケティング課題を解決できるすべてのコンテンツ

・なんで広告は嫌われている?
明石さん:
マーケティングの確立により、広告の型が決まってきて面白くなくなった
(昔のCMは面白かったが今はそんなに面白くない、など)

朴さん:
情報量が多くなり、限られた可処分時間に対して広告が重要でなくなった

井上さん:
広告接触数を意識的に数えたら昼までで100以上あった。
その中の広告をおぼえていることってあんまりない

鈴木さん:
ものがない時代に広告は役立つものとして好かれていた
(冷蔵庫ない時代は、冷蔵庫の広告はありがたい)
特に困っていない・満足しているときにさらに役立つものとして訴求するのは難しい

渡辺さん:
広告が一方通行だから。
マスメディアによる一方通行で、クリエイティブも一方通行
昔は一方通行でも良かったが、今はそれでは通用しない
ユーザーに寄り添った広告でないと嫌われる

・好かれるコンテンツとは?
明石さん:
以前はCMを作るだけでも、動画を作るのは大変なため目立った
今は映像コンテンツをつくること自体のハードルが下がっているためインパクトが少なくなっている=コンテンツの相対的な価値が弱まった
令和が一番コンテンツ量が多いが、その中でもバズることができる
例)くつざわさん

→かつてはハイレゾ(高解像度)なコンテンツじゃなきゃだめだったが、ローレゾ(低解像度)でも認められるように
 ※会話におけるレゾリューションの認識:クオリティの意味合い

作り手の思いが大事
マスではなくクラスタに向けた訴求が大事
昔は大きなマスだけだったけど、今は小さなクラスターごとに分割されていかにクラスターごとに存在する文脈を読み解いたコンテンツを作れるか、そのレゾリューション(解像度)の高さは重要になってるんじゃないか

ローレゾ(低解像度・画質は荒い)でも粒度の細かいコンテンツ(ハイコンテクスト)を作れると消費者に受ける・コンテンツが好かれる

・好かれるためのコツ
朴さん:データ活用。
たとえばデータを利用して今水を飲もうとしている人が見えたらワクワクすることができそう

鈴木さん:TikTokはユーザーのデモグラやシチュエーションを含めて必要なコンテンツを受動的に届ける仕組み

渡辺さん:作り手の熱量(業)が大事
ボヘミアンラプソディはマーケ目線でつくったらきっとヒットしてない
ふつうマーケ目線で作るとファンがどれくらいいて、どれくらいが見て…とかになるが、作品に込められた想いが多くの人の心を打ち大ヒットした

→果たして業は出そうと思って出すものなのか?
自由なコンテンツと広告は作り方が異なり、広告は業が入りにくい
合議制だと熱量の高いコンテンツはできにくい

※データを分析してコンテンツを作っている例:Netflix
ハウス・オブ・カードがその例
参考:https://akane.website/2015/07/21/house-of-cards/

データはサッカーなどスポーツにおけるルールのようなもの
データはルールであり、制約であり、ジャンプ台

動画制作で当たるキャスティングやターゲティングをある程度狭めて特定することができるが、そこから良いものを作るには人間の自由かつ独創的なパフォーマンスが必要とされる
→データを使うことで人が喜ぶモーメントを(ある程度は)作ってあげることもできる

Yahoo!の今後の注目商材  
・data-tainment project
 日本最古の電飾掲示板は提灯
 Yahoo!のリアルタイムデータを利用し、デジタル×オフラインで祭り広告をアップデート
 詳細は決まり次第案内

・Yahoo!JAPAN じぶんCM
 CM動画の登場人物が、その人の趣味趣向によって変わる
 詳細は現在策定中

・Yahoo! JAPAN広告商品アイデアアワード
 広告商品の一般応募を開始する
 7月~開始予定

まとめ
コンテンツがどんどんローレゾ化していくなかで、コンテクストはハイレゾ化
コンテクストを無視すると炎上してしまう
いかにコンテクストをとらえられるか
さらには、作り手の業をどれだけ込めていけるかが重要

■パネルディスカッション②「DOUBT! THE MEDIA.」

青木 耕平氏(株式会社クラシコム 代表取締役)
堀江 裕介氏(dely株式会社 代表取締役)
渡辺 将基氏(新R25 編集長)
モデレーター:
徳力 基彦氏(アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役CMO)

・非常識になってしまった「マーケティングの常識」ってどんなこと?
青木さん:
データを取れるようになり、ユーザー像が見えるようになったというのは事実か?
→ユーザーはデータから分析できないと思う
理解できないので自分を掘っていく
自分自身を掘り下げて自己理解をして自分に似たような人に落とし込む

マーケティングを売上の説明責任をするための財務のように扱っている企業も増えているように感じるが、そもそもそれは難しい
マーケティングにおいても本質的にユーザーを理解する技術が発達しているわけではなく、上手に説明責任を果たすための技術が発達しているのではないか?
生活者の理解やインサイトの分析は進んでいないように感じる

※ユーザーをデータからとらえることについて
渡辺さん:データだけで定量的に分析するのではなく、定性的にユーザーをとらえるようにしている

堀江さん:
旧インターネットの指標がもう少し多様化していってもよいのでは?
PVのような旧インターネットで作られた指標はアップデートされるべきでは?
3秒再生された動画と30秒再生された動画が、同じ再生数1で測られるのは違うはず
また訪問履歴・初訪問のユーザーの1PVは同じ価値なのか?

1PVの重みを作れるのはブランドなのでは?(誰が何を言ったのか?が大事)
現状、信頼やブランドのスコアリングがネットではうまくつくれていない

その他非常識になってしまった「マーケティングの常識」
・MAUと売り上げが比例しない(メディアとコマースの相性の問題)
・PV至上主義になってしまった(記事の大量生産によるPV稼ぎが横行)

青木さん:
メディアと広告の相性を鑑みず大勢いるところに広告をだせば商品が買われると思っている
「メディア」と銘打っているところで購買という態度変容を起こせるのか?
→それが難しいのではないかと考えておりうちはメディアじゃなくてお店と言っている※クラシコムはARUP高いことで有名
またクラシコムはスタッフ=顧客
顧客にとって影響力のある人が変遷してきたなかで、今は自分たちが好きなものを売っている人が影響を与えられる時代

事例紹介

堀江さん:

クラシルで豆苗を使った動画を訴求したことにより、豆苗が売れる
→出荷量が前年比160%に
要因:「クラシルで取り上げられた」ことが価値になった

コスメブランドキャンペーンをTRILLで実施
→店頭売上とWebサイト滞在時間がアップ
要因:TRILLというブランド(第三者)が魅力を引き出している

➡自分たちが良いと伝えるよりも、ブランドや第三者がおすすめすることの方が消費者に響きやすい

渡辺さん:

新R25は誰が伝えるか?を重視している
文脈のない情報に価値はない中で、心を動かされるコンテンツは人が立っている

そのためタイアップ記事にも人を立てて信頼できる情報を伝える

ブランドを浸透させるために連載や記事フォーマットなどブランドを浸透させるためのコンテンツフレームも重要
Webのコンテンツがバラバラに消費されるのは避けられない
これを見れば「あのメディアだ」と分かるようなコンテンツフレームを作成しメディアのイメージを作る
※ただし、多くの人に届いた上でやらないと意味がない

堀江さん:
メディアというより記事・動画・店など全てをコンテンツととらえている
ブランドをいろんな場所に作っている
ネットメディアでの購入についてはまだオフラインと比べて少ないため、
オンラインだけでなくオフラインも組み合わせたほうが、効果がある

メーカーとメディアがブランド視点で融合している状態というのが理想的なのでは?

青木さん:ドラマ制作→映画化(青葉家のテーブル)

参考:https://www.youtube.com/watch?v=sFOKkQaaLvk
ストーリーの中で演者が着ている服も買える

ポップアップショップに似ているが、ポップアップショップやるくらいなら映画作ったほうがいいのでは?という考え
ポップアップショップはタッチポイントを増やす点では良いかもしれないが、同じお金をかけるのなら映画を通じてユーザーが深度を深められる
自分の買ったものを肯定してくれる作品

以前、1、2億の売り上げの時にGoogle広告に4000万円投資
管理画面上の売上は上がったが、世界は変わらなかった
世界を変えたい想いと映画を作る決意をした
どうせお金を使うのなら、世界が変わるかもしれないものにお金を使いたい

ソフランとのタイアップもこの作品を使って実施
参考:https://www.youtube.com/watch?v=lRlOKPis8og

まとめ
デジタルやデータ分析が発達して、人を数字で見るようになってしまった
その弊害とどうたたかっていくかがこれから重要になる

■パネルディスカッション③「DOUBT! THE PLANNING.」

足立 光氏(ナイアンティック アジアパシフィックプロダクトマーケティングシニアディレクター)
鈴木 健氏(株式会社ニューバランスジャパン DTC&マーケティングディレクター)
村田 雅行氏(株式会社メルカリ 執行役員CMO)
モデレーター:
井上 大輔氏(ヤフー株式会社)

マーケティングにおける主要キーワードの常識を疑うセクション

村田さん:
Twitterやコミュニティで話題にしてもらうためには違和感が重要
気づいてもらい、話題にしてもらえる違和感を意識
言いたくなるタネとして違和感を重要視

鈴木さん:話題になることを意識するとどこかできいたことがある話(既視感)を出しがち

足立さん:
話題になっても売れないことが多い
サービスの購買に結びつく話題になることが大事
→そのためには?基本的にはデータを見ない
 データを見ると改善はできるが、新しいことはできないため
 自分が面白いと思うことをやる

鈴木さん:
機能性の高い商品を作るとその優位性を伝えたくなりがちだが、ベネフィットは機能だけではなくユーザの中から生まれる
ユーザーの意味の感じ方や思いから何に役立つかを考える

足立さん:マネしたくなるので競合は見ないで他業界を見る
(ポケモンGOの号外配布はメルカリやスマニューの新聞折込チラシを参考にした)
参考:
https://pokemongo-soku.com/pokemongo-kouryaku/post-105372/
https://markezine.jp/article/detail/30170

STP

STPとは:
Segmentation(市場細分化)
Targeting(ターゲット設定)
Positioning(ポジショニング設定)

村田さん:社内で聞いたことがないし使っていない

鈴木さん:知っているが、どちらかというと否定的
作りたい世界に対してSTPをあてはめるのが良い

足立さん:
フレームワークをすると、同じような結論に行きつく
響くアイデアも考えるのが大事

鈴木さん:
フレームワークは情報整理には良いが、アイデアは出てこない
ユーザーと話す・ユーザーが好きそうな場所に行ってみる
観察をすることでアイデアを出す

足立さん:
フォーカスグループは本音が出てこないのでやらないほうが良い
コアユーザーの意見を聞いて作ると売れない
コアの人数は少なく、大半の売り上げはライトなユーザーが支えているから
テストマーケティングは東京以外で実施する(東京の人は例外)

CRM
顧客の生涯顧客価値を上げていくにはどうしたらいいのか?

村田さん:
CRMやっているが、既存ユーザーへ特別に優遇みたいなことはしない

鈴木さん:
コアファン優遇は自らの首を絞めることに繋がりやすい(=ロイヤリティパラドックス)
自社のブランドだけを見ている人ばかりを追っているとミクシィの売上が落ちた例もある
参考:https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1905/10/news114.html
コアファン中心の施策をしていたら楽しいかもしれないが、あぶない

足立さん:
自分がCRM語ると炎上する(笑)
参考:https://techwave.jp/archives/post-28277.html
CRMは改善としてはやったほうがいいが、CRMやることで差別化というのは難しい
CRMで勝った会社事例はほとんどないし、消費者としても「これはいい」というCRMの事例はないはず

ブランド哲学
足立さん:
ブランド哲学において大事なのはリクルーティング
会社が掲げるミッションに共鳴して仲間になってもらうと強い組織になる

ブランド哲学ではものは売れない 知らなくても売れる
ナイアンティックは「世の中を健康にしよう」という哲学を持っているがおそらく多くの人は知らないだろう
マーケティングキャンペーンのためには哲学は必要だが、それを消費者に知らせることが目的ではない
訴求がズレないために作るだけ
ブランドは一貫性が重要でそのために何をやり何をやらないかを決めるのが大事
ブランド哲学は一貫性を保つためのガイドラインのようなもの

■Closing Remarks:新体制の戦略

赤星 大偉氏(ヤフー株式会社 執行役員 メディアカンパニーマーケティングソリューションズ統括本部長)


製販一体が一番の強み
新体制にてその強みをさらに活かしていく

ミッション:ビジネスパートナーとしてクライアントの事業成長にコミット
ミッション実現のために:プロダクト力とコンサル力を向上

今の時代、広告は枠から人へのパラダイムシフト
枠の先にどういうユーザーがどういう心持ちで見ているのか?を気にしていかなければならない

しかし、現状はこのようなラインナップ

これからはリーチ、フリークエンシー、インプレッションなどをワンストップで分析できる形を目指す

どんなことを実現していくか?

おわりに:感想

時代の移り変わりによって、データ分析や従来のやり方にとらわれているだけではとらえられないユーザーニーズがある。
だからマーケティングに関してさまざまなものを疑いなさい、というのが伝えたいメッセージなのではないかなあと思った。

今回はツイートよりもメモに残してあとでまとめることにしたのでリアルタイムでツイートがあまりできなかった。
リアルタイムでnoteにメモ上げられている方はすごいなあ、と思った。


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