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日常の疲れを洗い流してくれるような、旅がしたい。

「旅行先選びはその人の価値観がよく表れるよな~」と思うのです。

たとえば、グルメ旅をしたい人もいる。「おいしいご飯を食べたいから、福岡で水炊きと屋台のご飯を食べる」とかが主役の人。

私は自然に癒されたいし、景色を楽しみたい。今は、自分をリセットしてくれるような旅をしたい。

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(画像提供:https://unsplash.com/photos/uYoVf9I6ANI)

ずっと「行ってみたいな」と憧れがあるのは、屋久島。もののけ姫の舞台になった森も行きたいし、縄文杉も見たい。

ああ、熊野古道も歩いてみたいなぁ。お遍路にも興味がある。どうやら私は、山の中を歩きたくてしょうがない人みたい。

歩いて、歩いて、歩いて、途中で自分の頭の中から声が消える。無音になって、自分の呼吸だけが耳に届く。次の足場を選ぶことに集中して、ゾーンに入る。

どんどん余計な刺激から解放されていく。疲れや嫌なことをすべて汗として出し切っていく。出して、空っぽになったうつわに澄んだ空気が入っていく。一度、自分の中がリセットされる感じがする。

海の中で、クタクタになるくらい泳ぐのもたまらなく好き。できれば、リゾート地で混みあっている海より、人のあまりいないビーチがいい。朝や夕方の静かな時間帯にザブンと顔も水につけて、泳ぐ。

ザブザブと水をかいて、今、自分がどの辺りにいるのかわからなくなる。へとへとになるくらい体を動かしたい。ふう、と一息ついて顔を上げると、空と海だけが目に入る。海から上がっても、しばらく波に揺られている感覚が残る。そういう瞬間が切実に欲しい。

旅先だと、空が一段ときれいに見える。ちゃんと、夕焼けも見るし、星がどのくらい見えるのか。自分の住んでいるところとはどうちがうのかまで見ようとしたくなる。宿の近くのコンビニに行くだけでも、空を眺めて特別な散歩になる。

もし、空気のきれいなところに行くのなら、電気を消して星空を見たい。キャンプとかは、街灯がないところがいい。真っ暗だと怖いけれど、月明かりだけでもずいぶんと明るく照らされていることがわかる。

最初は目が慣れなくて暗く見えても、徐々に時間が経つと星が見えてくる。そういう旅がいい。

もちろん、夜にお泊り会をして友達と延々としゃべったりするのも楽しいし、誰と行くかはとても重要。ただ、私は「旅」の想像をすると美しい景色と自然を思い出す。

「自分は都合のいい自然や、お手軽な癒しを求めているんだろうな」とは思う。何と言っても、住んでいる場所はそこそこ都会だし、自然と共存しながらの暮らしとは程遠いところにいる。

それでも、緑の多い場所や山への憧憬は強くあるのです。私がこれから先も都会で生きていく意味はあるのだろうか、と問いかけてしまうくらいに。

ここのところ、近所の公園にしょっちゅう行っている。週末にはちょっと足を延ばして大きい森林公園や川沿いを散歩することが多いけれど、それだけじゃ段々物足りなくなってきた。

畏怖の念を抱くような力強い自然に圧倒されたい。山や森に足を踏み入れて「自分の方が侵入者で、ここは植物や昆虫、動物たちの住む領域なんだ」というくらい、たくさんの木々や虫や動物の息遣いを感じたい。そういう瞬間には、少しだけ「自分」から離れられる気がする。

全身で緑や水を感じたい。日常に降り積もった垢を押し流して、生まれ変わるような旅をしたい。

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