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要約 『おとなになるのび太たちへ ~人生を変える「ドラえもん」セレクション~』

●はじめに

10人の「夢」を支えたドラえもんエピソード

あこがれの職業についている10人の大人が、これから大人になる子どもたちに対して、自分の好きなドラえもんエピソードを紹介し、夢を叶える時に大事なことを伝えてくれる本です。伝えたいメッセージは、漫画『ドラえもん』のストーリーとリンクさせて語られているので、子どもにとってもわかりやすく、親子ともに、気軽に楽しめる一冊です。

10人の答えは明快です。まずは好きなことをとことんやってみる。周囲の意見に振り回されずに続けてみる。他の人があなたの活動を知ると、同じ目的を持つ仲間が表れて、新しい世界がひらける。この10人は皆そうやって夢を叶えたと言います。本書を読めば夢がかなうわけではありませんが、10名が選んだドラえもん作品をあわせて読むことで、のび太や周りの登場人物の気持ちを味わいながら、その成長の過程を体感でき、力になるはずです。

●本文要約

1.選者:猪子寿之(アート集団チームラボ代表)「空間認識能力を手に入れよう」

推薦作品『アスレチック・ハウス』

家の中をアスレチックにしたように、街の中にアスレチックを作りたかった(18ページより)

世界的デジタルアーティストでチームラボ代表の猪子寿之さんが勧めるエピソードは『アスレチック・ハウス』です。運動嫌いののび太のために、ドラえもんが家の中をアスレチックにしてしまうお話です。そして猪子自身は幼い頃、自然の中を駆け回る体験を、東京や福岡、マカオといった都市部で体験できるようにした創造的運動空間「運動の森」を作ります。考案者の猪子寿之さんが重要視しているのは、最近では失われつつある能力「空間認識能力」です。森や山など立体的で複雑な環境で過ごすことや、土を掘ったり虫を捕まえたり自然の中で遊ぶことにより、身体が物事を立体的に認識できるようになります。世界を身体で感じられるようになると、ものの見方や考え方、解決方法も変わり、新しい世界を知ることにつながります。猪子さんは、この空間認識能力を現代の子どもたちにも身につけてほしいと、運動嫌いののび太のためにドラえもんが家の中をアスレチックにしたように、街の中にアスレチックを作りました。

2.選者:梅原だいご(eスポーツプレイヤー)「諦めるな!やり続けよう!」

推薦作品『あやとり世界』

何に価値があって何にないかなんて、それぞれの中にきちんとした基準なんかない(21ページより)

日本人初のプロゲーマー、梅原だいごさんが勧めるエピソードは『あやとり世界』です。何をやっても失敗ばかりののび太ですが、数少ない特技の一つがあやとりです。しかし、のび太がどんなに高等なあやとり技を披露しても誰も褒めてくれません。そこでのび太はドラえもんの道具で、「あやとりが価値のある世界」に変えてしまいます。変わった世界であやとりのプロを目指すのび太、以前とはうって変わってのび太をちやほやする周囲の人達の姿が楽しめます。
梅原さんがプロゲーマー契約をした時、周囲の反応はまさにこの『あやとり世界』のようだった、と語っています。梅原さんは暇つぶし、頭が悪くなるとさえ言われていたゲームを仕事にし、数々の大会で実績を残し、ゲーマーそのものの価値を変えてきました。この『あやとり世界』を引き合いに、諦めることにメリットはない、時代の価値観に振り回されることなく、自分がやりたいなら周りが何を言おうとやり続けることが大切であり、踏ん張れば社会に居場所ができ、それまで非難していた人さえ態度を変える、というメッセージを発信してくれています。

3.選者:梶裕貴(声優)「経験すること、想像すること」

推薦作品『さようなら、ドラえもん』

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