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要約 『「記憶」を科学的に分析してわかった小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』 著者 菊池 洋匡

「学習」は脳のしくみに基づいて行うかどうかで効率が大きく変わります。効率よく記憶するためには、「これは記憶の倉庫から頻繁に引っ張り出してくる必要がある情報だ」と脳に思わせなければいけません。 1ページより

●はじめに

本書は、毎年40%以上の子どもたちを第一志望に合格させている進学塾「伸学会」を運営する著者が、脳のしくみに基づいた科学的な記憶法を中心に、効果の高い勉強法を紹介した本です。

本書を読めば、「要領よく勉強して成果を出せる人」と「頑張っているのに成果が出ない人」の違いを理解することができます。

●本文要約

1「記憶」のメカニズムを理解しよう

記憶には「長期記憶」と「短期記憶」の2種類があります。問題を解くという行為を細かく分けると、「長期記憶」「短期記憶」それぞれが活躍する場面があり、両方が必要であることがわかります。

「短期記憶」は、わかりやすく言うと「作業机」です。机の大きさが広く、不要なものが置かれていないと作業しやすくなります。また「短期記憶」には、集中力が必要です。机の天板はベルトコンベアになっており、古いものから落ちるようになっているからです。「それならば机を広くしよう」と思われたかもしれませんが「短期記憶」を大きく伸ばすことは大変難しいため、活用法を工夫しましょう。「チャンク化する」(=固まりにする)ことで、意味を与える方法です。例えば、11桁の数字「15821192794」をそのまま覚えることは難しいですが、「いちご/わに/いいくに/なくよ」と4つの固まった情報にする(意味を与える)と覚えやすくなります。

もう一方の「長期記憶」は「倉庫」のイメージです。「保存」と「検索」という機能があります。つまり、必要な知識を机から倉庫へ「保存」する、テストのときなど必要に応じて倉庫から知識を「検索」して机の上に置くという働きをしています。人間の脳は、約20万年前の狩猟採集時代から変化していないため「倉庫」に記憶を保管するためには「生きるためにこれは大切な情報だ」と脳に思わせる必要があります。「生きるために大切な情報」とは、「よく使う記憶」と「感情を動かされた記憶」です。楽しく取り組むこと、何度もやることが記憶の定着には大切だということがわかります。

2.「短期記憶」「長期記憶」の出し入れがうまい人が応用問題を解ける

応用問題が解けない子の特徴は、基本問題での解き方を思い出すことに精一杯で、しっかり考えられる段階に達していないことです。基本問題を繰り返し解いて、基本的な解き方のテクニックが倉庫からすぐ取り出せるようになれば、あいた作業スペースで問題をしっかり考えることができるようになります。

暗算を例にして、問題を解くときに「短期記憶」と「長期記憶」をどのように使っているかみてみましょう。24×7を暗算する場合、まず頭の中で4×7を計算します。九九を覚えている人は「長期記憶」の倉庫から28をひっぱり出してきます。この28をいったん頭の作業机(短期記憶)に仮置きしつつ、次に2×7を計算します。この14とさっき作業机に仮置きした28を位をずらして足すと168です。もし暗算を間違えてしまう・わからない場合、①ククを覚えていない(長期記憶の問題)、②かけ算の「位をずらして足す」という作業がわからない、もしくは倉庫に入っていない(長期記憶の問題)、③一時的に28を覚えておくことができない(短期記憶の問題)といったいくつかの原因が考えられます。

3.学力を伸ばす効率的な「解き直し」をしよう

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