ぼくの住んでいる街の人たちはなんでかすごくせっかち。

「早く、早く」「いそげ、いそげ」

ずっとそんな声がきこえてくる。なんでかなあ。
もっとゆっくり歩けばいいのに。
とくに、ゆうびんやさんはすごい。
その手にもった紙を目にもとまらぬ速さでどんどん配っていく。

もう十分速いと思うのだけど、街のひとたちはみんなせっかちだから、
口をそろえてこう言う。

「走れ！郵便屋！」「もっと！急げ！」

その言葉をせなかに、ゆうびんやさんは今日も走る。
せっかちな街のせっかちな一日。

ぼくは、かたつむりだからよくわからないのだけど。