見出し画像

佐藤優樹と明星スバルという天才を、仲間がひとりぼっちにしなかった話

私はめちゃくちゃ節操のないオタクだ。
ハロー!プロジェクトとあんさんぶるスターズ!!に湯水のように金を注ぎ込みながら生きている、とあるアラサー社会人だ。
それでいて、他の女子アイドルにも割と詳しい。
お金を落とすのはアップフロントだけと決めているが、最新シングルだとか卒加入だとかその他諸々のトピックスは結構把握している。
だから、時に横断しまくる話をするし伝わらない例えをするかもしれないが許して欲しい。
私は書きたいように書きます。

Amazon prime Videoで「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」を見たのは、2022年の2月頃の話だ。(また昔の話をするオタク)
彼女達の5年間を追うドキュメンタリー映画だが、勿論これは熱心なオタクなら異論も多々あるだろ。いい歳のオタクなので、全部が全部を語っているとは当然のことながら思わない。けれども、真実を多大に含んでいるとここでは仮定する。
例えば、一つのアイドルグループを描いた漫画やゲームやアニメだったとでも思ってくれると尚良い。
批判や批評する気は一切ない、ただの戯言だ。

目をキラキラさせてグループの展望を語っていた最年少のセンター。
まだデビューしたてで、芸能の世界の右も左も分からないメンバー達は、彼女よりみんな歳上だ。
しかし、口々に「天才だ」「あの子はすごい」「彼女がいなきゃダメだ」と色んな重荷を乗せていく。そして、誰を頼ることもできない、孤独なセンターにしてしまう。
彼女がアクシデントでステージに出られない時には、センターの場所を開けてパフォーマンスを行い、「あの子がいないとダメなのに」と泣いてメンバーが逃げてしまったり、代理センターを誰も引き受けられなかったり、武道館公演がこのグループでは開催出来なかったり。
結局彼女は脱退し、やがてグループは一つの終わりを迎える。
これが、アイドル物の作品ならバッドエンドだろう。
(実際はここで終わらず、新しい歴史を紡ぐことになるのは周知の事実だが)

正直、見ていてとても辛かった。
私はこれを、「佐藤優樹のIFストーリー」としか思えなかったからだ。
逆だったかもしれねェ…(年齢がバレる発言)

いつの頃からか、佐藤優樹はグループどころかハロー!プロジェクトさえも飛び越えて「天才」と呼ばれるようになっていた。
彼女はそう呼ばれることをあまり好きではなかったのは確かで、いつもひたむきに努力することでステージの上ではさらに輝いていた。努力する天才だと言った加賀楓ちゃんの言う通りだと思う。
そして時に50人以上いたハロー!プロジェクトのメンバーの中で、追随を許さぬ1番人気であったことは周知の事実だ。
ともすれば、遠巻きに遠慮がちにされてしまうことだってあったかもしれない。一歩違えば欅坂のドキュメンタリーのように、モーニング娘。は佐藤優樹を1人の孤独なエースにしてしまっていたかもしれない。
けれども、そうはならなかった。(ステーシーズかな)
たとえ佐藤優樹と同じ物が見えていなくても、自分の出来ることで駆け寄って、寄り添って、支えてくれて、手を繋いでくれる仲間がいた。それが出来る、先輩同期後輩だったのだと改めて感じる。
私は先輩の9期が「優樹ちゃん」、同期の石田亜佑美ちゃんが「まー!」と呼ぶのがすごく好き。
たどり着くそこまでの道のりや過程は違ったとしても、みんなの気持ちや頑張りがあれば一緒に同じ景色を見ることはできるのだ。手を離さないでいれば、いつか叶うってこと。
アイドルって、もしかして1番大事なのって色んなタフさなんじゃないかな。モーニング娘。って、タフな奴らの集まりなところある。
だからこそ、佐藤優樹という天才はグループの中で置き去りにならず、1人のメンバーとして機能して輝いていた。
これは凄い事だとつくづく思う。
天才だって、グループの中の一つの個性として当て嵌めることが出来てしまうなんて。
佐藤優樹がモーニング娘。でよかった。彼女の才能を見つけて活かして伸ばせる、ハロー!プロジェクトでよかった。つんく♂さんありがとう。

そして、さらにもう一つ重ねたアイドルの姿がある。
あんさんぶるスターズ!!の明星スバルである。
そう、OCHA NORMAの斉藤円香ちゃんが好きなあのゲームです。
私はこの作品を、ハロー!プロジェクトボーイズサイドだと思っている。概念的な意味で。その理由ではここでは割愛。
明星スバルもまた、作中では「天才」と呼ばれるアイドルの1人だ。
けれども、彼はとても悲しいことを言う。

「『才能』って嫌いな言葉だな〜。それって、そんなに大事? それがないと生きていくこともできない、内臓か何かなの?
どっちかっていうと、俺はとっては他の誰も持ってない内臓をひとつ余計にくっつけられちゃった感じかも。
もうそんなのちがう生き物だよね。
だから、誰も友達になってくれないのかな」

追憶*春待ち桜と出会の夜 ロケットスタート
「set theory/第5話」

けれども、明星スバルは1人じゃなかった。
同じ世界が見えている相棒の氷鷹北斗がいて、自分の力を駆使して心の弱いところを守ってくれる遊木真がいて、一生懸命がむしゃらに走って追いついてくる衣更真緒がいる。だから4人は最強なのだ。
1人じゃない、だから光るTrickstar!!
スバルくんはこうして、人智を超えた化け物にはならなかった。1人のアイドルとして輝くことが出来た。
あんさんぶるスターズ!!って結局どんな話かって、化け物じみた天才達を歯車としてどうやって社会システムに組み込むかってことなんですよ。
スバルくんだけじゃなく、沢山の天才とそれを取り巻く世界の話が描かれています。
誰このゲームのこと、「アイドル育成ゲーム」なんて嘘ついてるの。歴史と神話と経済とあと何だっけ癒しがどうとか…それを煮詰めてなんとなくアイドルっていう型に流し入れてるように見えるだけだからね。

明星スバルが一人ぼっちで退屈な夜から、Trickstarであんさんぶるを奏でられてよかった。
佐藤優樹がモーニング娘。でこの声が届く距離でその手を絶対離さない仲間がいてよかった。
息を吸うように相互引用するオタクですみません。

私も佐藤優樹のバーイベ行きたかった。
エメラルドプラネットじゃん!!ハロプロあんさんぶる案件だよ!!
シリイベ絶対当たってください。(圧

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?