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ショート 2 アンラッキーガール

バイトで怒られた。
しかも結構理不尽な理由だと思う。

飲食店でバイトをし始めて8ヶ月。だいぶ慣れてきたけれど、忙しい時はやっぱり余裕がなくなっちゃってミスをしてしまうこともある。
バイトメンバーは、学生が多く、歳も近いから、お互い励まし合ってはいるけれど。
1人、苦手な人がいる。
その人は、パートのおじさん。多分48歳くらい。その人、機嫌がいい時はいいけど、悪い時は八つ当たりされる。

今日は、そのおじさんと、リーダー2人、学生6人と、私。この10人でお店を回す。

なんとか忙しい時間帯を終えて、もうそろそろあがりだー、と思った矢先、事件は起きた。

「んだこれよ!」
おじさんのイライラした声が聞こえる。
見に行ってみると、製造ミスで3件も注文が戻ってきていた。
「おい、これなんだ?お前か?やったの?
ほんと、キチガイだな。お前今度から、名札にきちがいってつけてこいよ!」
と、言っておじさんは、どこかに行った。

…え?私?

誰かが起こしてしまったミスを私が勝手にやったことにされて、「キチガイ」とまで言われた。
ミスしてしまうのは、誰だってある。
それなのに、これは、理不尽すぎる。

でも、あーだこーだ説明するのもめんどくさいことになりそうだから、内心プンスカしながら上がって帰ってきたけど、なんか腑に落ちない、腹立たしい、イライラする!

「鳥のフンがおじさんの頭に落ちますように!」
そう思った。鳥のフンが落ちてくるのは、誰だっていやだろう。
おじさんの頭に、鳥のフンが落ちて混乱してるところを想像したらなんだか笑けてきて、
ちょっとすっきりした。


次の日は、バイトがなかったので、大学の友達の千佳と、学校終わりにご飯に行くことになった。

その道中、私はおじさんを見つけた。
10メートル先くらいを歩いている。

「わっ!苦手なパートの人いる。」
「え?どこ?」
「ほら、あのグレーのパーカー着た人。
昨日、他の子がしちゃったミスを私のミスだと勝手に思い込んだあのパートの人が、私に、きちがいって言ってきたの。」
「うわぁ、それは最悪。やだね。」

そんな話をしていたら、おじさんの上に
パチャっと白いものが落ちたのが見えた。

そう、鳥のフンがおじさんの頭に落ちたのだ。


「え!嘘!鳥のフンが落ちた!昨日、きちがいって言われて、頭にきて、鳥のフンが頭に落ちますように!って思ってたら、ほんとに落ちた!」
と、少し興奮しながら千佳に言った。

しかし、千佳は、落ち着いて言った。

「鳥のフン頭に落ちるのって、幸せの前兆らしいよ。だからあんたは、苦手な人に、幸運が訪れますように!って願ってたんだね。」

…え。

どうしてこうも、私はアンラッキーなんだろう。


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ショートストーリー2つめです。

これ実は、一部実体験のところがあるんです。

それは、バイト先の人に、他の人がミスしてしまったのを、わたしのミスだと思い込まれ、「キチガイ」と言われたシーン。
あれは、実体験です、、。笑

ミスは誰だってしてしまう時があります。
時には許されないこともあるかもしれません。

でもそれを、責めるような言い方をして注意するのではなく、自分が言われたらどう思うかを考えたり、次に繋げよう!と思えるような言葉をつかって伝えていけるような人になりたいです。
言い方ってとても大切だと思います。

また、ミスをしてしまった人がいても、自分だってミスをしてしまう時もある、と考えて、ミスも一緒にフォローしていけるような広い心を持った人になりたいです☺︎

鳥のフンが幸せの前兆というのは、どこかで聞いたことがあるなぁとおもって調べてみたらほんとにあるみたいですね笑


嫌なことにも、実は意味があったりするのかも…?しれませんね!!

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