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BtoC アプリのPMから、BtoB SaaS新規事業のPMになってみて、変わったこと・変わらないこと|カミナシ入社エントリ

2024年10月から株式会社カミナシでプロダクトマネージャー(PM/PdM)をしている吉岡詩織(通称・おり)です。

退職エントリを書いてから、はや1ヶ月とちょっと。
私は9月までコネヒトという会社で、ママリというBtoCアプリのPMをしていました。
今は、BtoBのSaaSのPMになりました。
人生初めてのBtoBです。
私がBtoB SaaSを選んだことに、周りから驚かれることは結構あります。
私自身、実は最初はBtoCにしか興味がなく、BtoBを選ぶことになるとは思っていませんでした👼

そんな私がBtoBのカミナシに飛び込んでみて感じたことについて、書き連ねてみようと思います。


なぜBtoBのカミナシに飛び込んだのか

元々なぜBtoCにしか興味がなかったのか?
それは「エンドユーザーの課題がありありと想像できる」ことが、自分の選択軸だったからです。
もちろん、BtoBとかBtoCとか関係なく、そこにはエンドユーザーがいて課題があるのは当たり前なのですが、「生活の中でプロダクトがどのように使われるか、そしてその人の生活がどう良くなるのかのイメージが”直感的に”つくかどうか」で判断していました。

そんな私でしたが、今後PMとしてのキャリアを歩んでいくことを考えたときに、
「今の吉岡さんはBtoBにチャレンジしてみるとめっちゃ幅が広がると思う!」とエージェントに言われ、
「まぁちょっとみてみるか」と思い、転職の選択肢に入れてみることになりました。(単純)
結果的に、BtoBであるカミナシのことを「ちょっとみてみるか」から「めっちゃ行ってみたい」と思い今に至っています

それは「エンドユーザーの課題になぜか共感できた」からです。

カミナシは「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」というミッションを掲げています。
つまりエンドユーザーはノンデスクワーカーです。
ノンデスクワーカー、例えば食品工場で働く方や清掃員さん、作業員さんといった方々のリアルな生活が最初からありありと想像できたわけではありません。
でも、ノンデスクワーカーの方がどんな課題を抱えているのか、なぜ代表の諸岡さんはそれを解決したいと思ったのか、そのストーリーに胸を打たれたことを覚えています。
なんでなんでしょう。人が胸を打たれることに理由はないのかもしれない、ということにしておきましょう。

入社時に配布されるカルチャーブックの1ページ

BtoBに期待していたこと

「BtoBにチャレンジしてみるとめっちゃ幅が広がると思う」と言われた、と書きました。
正直「幅が広がる」という言葉の解像度が高いわけではなかったのですが、未知のBtoBに飛び込んでみること自体に、ワクワクと不安の両方を感じていました。
なんか成長できるんちゃうかというワクワク。
一方で、全然通用しないんちゃうかという不安。

そして実際に入社してみて思ったことは、
BtoC・BtoBという概念に固執していたが、「BtoCだからこう、BtoBだからこう」ではないということでした。

BtoC・BtoBと一口に言っても、フェーズやプロダクトによって、PMが求められる役割や振る舞いは変わります。
私はカミナシで、「ノンデスクワーカー向けマルチプロダクトの新規事業のPM」を担うことになったのですが、同じBtoBといってもフェーズやターゲットが違えば、まだまだ私の知らない世界があるはずです。
また、私はコネヒトで「390万DLを超えるグロースフェーズの、広告モデルアプリのPM」を担っていたため、BtoCに転職したとしても、フェーズやビジネスモデルが違えば、きっとたくさん違いはあったと思います。

なので、「BtoCとBtoB」というより、「今までとこれまで」という観点で感じたことを書きます。

今までとこれからの「顧客/ユーザー理解」

今までとこれまでで、「PMとして求められるスタンス」は大きく変わらないが、そのスタンスの中でもアンラーニングするべきポイントは多々あると感じています。
その中でも今回は、「顧客/ユーザー理解」という切り口にフォーカスしてみたいと思います。

変わらないこと

私はこれまでずっとPMのことを「誰よりも顧客やユーザーのことを理解すべき存在」と捉えていました。
大前提、ユーザーの課題が理解できないと、価値を作ることはできません。そして、誰よりも理解できないと、意思決定者として信頼を勝ち取れません。
それは変わらないと思っています。
しかし、こんな違いもありました。

そもそもの「顧客」と「ユーザー」

これまで私はそもそも顧客という言葉をあまり使っておらず、「ユーザー」という言葉を使うことがほぼほぼでした。ユーザーとは「プロダクトを使う利用者」を指しており、この中にプロダクトにお金を払う利用者も含んでいます。
(この「ユーザー」が増えることで、広告出稿を行うクライアントにも価値提供できる、というのが広告モデルです)
今は、「顧客」「ユーザー」どちらも使うことが多いです。顧客とは「プロダクトにお金を払う人」を指しています。

ざっくりこんなイメージ

これまでと違い、プロダクトの購買意思決定者、プロダクトの管理者、プロダクトを実際に操作する人全てが異なり、そして全ての人の方向を向く必要があります。
そして、思考する時や会話する時、「今は誰に向いているのか?」(あるいは、向くべきなのか?)を明確にしなければいけません。
最終的にプロダクトを実際に操作する人を幸せにしたいと思っても、購買意思決定者に選ばれないと意味がない。しかし、購買意思決定者のためだけに機能開発をすると、実際に操作する人には負担を強いることがあるかもしれない。

購買意思決定者(顧客)と利用者(ユーザー)、どちらとも向き合いながら課題解決をしていくことが求められると感じています。

顧客/ユーザーの知り方・語り方の違い

グロースフェーズのBtoCサービスでは、プロダクトの中で日々大量のイベントが起きていました。たくさんのユーザーが起動し、たくさんのボタンが押され、たくさんのコンテンツが投稿される。私はこういったデータを日々見ていました。
ユーザー数、投稿数などの主要指標に加え、その時追っているKPIやそこに紐づく指標を細かくウォッチするのが習慣になっていましたし、ABテストも頻繁に行なっていました。
もちろんユーザーインタビューのような定性調査も行いますが、まず仮説のアタリをつけるのは定量調査であることが多かったです。
一方で、今は0→1フェーズのtoBプロダクトなので、そもそもデータがありません。とにかく顧客の商談に同席したり、ヒアリングさせてもらったり、現場見学に行ったりして、課題を見つけます。
そして、「A社さん向けにはこういう機能が刺さりそうだよね」のように、N1で語られることが多い印象です。1社1社のインパクトが大きいため、戦略策定においてもN1が語られるようなことも多々あります。

セールスメンバーとも連携しながら、1社1社の業務フローや業務課題、経営課題などを広く深く理解していくことが求められると感じています。

顧客/ユーザーを「誰よりも知る」ことのハードル

今の環境は、「誰よりも知る」ことのハードルがとても高いと感じています。
カミナシには、「現場ドリブン」という文化が強く根付いています。(私は最初に触れたミッション共感に加え、この現場ドリブンのカルチャーも入社の大きな決め手になっています)

このようにカミナシでは、PMだけではなくデザイナーやエンジニアも当たり前のように顧客のもとへ足を運びます。
そんな中で、PMとして「誰よりも顧客のことを理解して、意思決定できる人間になる」って、どうやったらできるのか?ということを考えるようになりました。

まだ答えはわかりませんが、今私が持っている仮説は「親心」を持つことが求められるのではないか、ということです。

親は、子どものためを思って、子どもを叱ることがあります。
なんでこんなことしなきゃいけないの?!とか、なんでこんなことで怒られないといけないの?!とか、
子どもが反発することはあっても、親は子どもの未来のために一時的に嫌われる役を買う時があると思います。
ちょっと極端なメタファーだったかもしれませんが、例えばこんな観点を持ち、意思決定していく必要があるのかなと思っています。

  • 目先の問題の解決は、果たして中長期的な顧客/ユーザーの幸せにつながるのか?

  • (前述した話につながりますが)エンドユーザーを幸せにするために、購買意思決定者に選ばれないと意味がないが、では購買意思決定者が抱えている課題はなんなのか?

  • 最終的に業界全体を幸せにするために、まず最初に解決すべきなのは、誰のどんな課題なのか?

(親は子どもからお金をもらわないよ!というツッコミは受け付けておりません)

以前書いたこちらのnoteの「罠③ユーザーだけ向き合えばいいってわけじゃない」の考え方に近しいかもしれません。

新環境でのPM、試行錯誤の旅は続く

まとめると、

💡BtoCもBtoBも同じように、顧客/ユーザー理解はめっちゃ重要
💡 だけれど、向くべき顧客/ユーザーや、顧客/ユーザーの理解の深め方は異なる
💡そして、現場ドリブンが当たり前なカミナシにおいて、それでも誰よりも顧客/ユーザーのことを理解して意思決定できるPMになるために必要なのは「親心」(たぶん)

と、わかったように色々と書き連ねましたが、入社して1ヶ月の今の実態は、まだまだ理解しきれないことがたくさんです。。
現場訪問やヒアリング同席、過去の議事録の閲覧など、入社してからの時間の大半を業界や顧客の理解に使っていますが、それでもまだまだこれからです。
また、顧客/ユーザー理解の他にも、あらゆるステークホルダーとのコミュニケーションや、ディスカバリー&デリバリーの進め方など、これまでと違うことがたくさんあります。
(この辺はまたnote書こうかな)

そんな環境で焦りを感じることも正直ありますが、 それ以上に、これから自分が顧客/ユーザーをどんな風に幸せにしていけるのか、その可能性にワクワクしている自分もいます。
ノンデスクワーカーの才能を解き放つための新人PMの試行錯誤は続く。

仲間募集中💌

このように、BtoCしか経験したことのない私でも、学ばなければならないことはたくさんありますが、根本の大切なことは変わらないので、カミナシでもきっとなんとかなります!笑
実際にカミナシでは、BtoB未経験でも大活躍されている方がたくさんいます。
BtoB経験の有無を問わず、ともに「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」ための挑戦に興味がある方、ウェルカムです!
少しでも興味をもってくれた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。色々お話ししましょう!

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