【SS】吐いた唾は飲めぬ(1464文字)
優真は20歳の誕生日を薄暗い自室で迎えた。
大学にも行かず、就職もしないまま数年が経ってしまった。
(いつから自分の人生はこうなってしまったのだろう)
ベッドに寝転がり無機質な天井を眺めながら、物思いに耽る。
窓の外からは下校する子どもたちの楽しそうな声が聞こえる。
感傷に浸る時間を邪魔された優真は舌打ちをひとつ零す。
(……俺も、小学校までは楽しかった)
中学校からだろうか。
外見の良さとか、ノリの良さとか、頭の良さとか、なにか秀でたものを持っていることが教室での居