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和菓子をどうぞ

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すこやかに、しあわせにー。今も昔も変わらぬ願いを込めてつくり味わい、伝えられてきた日本のお菓子。今この時をともに迎えられた喜びに、この先もつつがなく過ごしてゆけるよう祈りを重ねて…
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2019年10月の記事一覧

今宵は亥の月・亥の日・亥の刻、亥の子餅

今宵は亥の月・亥の日・亥の刻、亥の子餅

夜のお菓子 #亥の子餅
亥の月(陰暦10月)・亥の日・亥の刻(21〜23時)に猪の子、うり坊を模した亥の子餅を食べて無病息災や子孫繁栄を願う、千年以上前から伝わるお菓子。今年は今夜がその夜。今年はさらに亥の年でもあります!
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来週はこの亥の子餅をご用意します。和菓子屋さんによってさまざまなバリエーションがあり、これは昨日伺った奈良の樫舎さんのもの(とっても特徴的!)。わたしは今年どのように仕上げ

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10/21〜25 霜降のお菓子「竜田姫」

10/21〜25 霜降のお菓子「竜田姫」

提供:10/21(月)〜25(金)
菓銘:#竜田姫

紅葉の名所、奈良の龍田は古くから数々の歌に詠まれてきました。東方の佐保山に住まい、桜を纏う春の女神「佐保姫」に対し、西方・龍田山に住まう「竜田姫」は秋の女神。その錦の衣を薯蕷きんとんでおつくりしました。中は小倉餡です。

街路樹もようやく色付きはじめました。盛りの頃は圧巻ですが、枝の先から少しずつ染めていく赤・黄・緑の彩りと陽の光が織り成す

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10/7〜11 寒露のお菓子「着せ綿」

10/7〜11 寒露のお菓子「着せ綿」

ご提供:10/7(月)〜11(金)
菓銘:着せ綿(きせわた)
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旧暦九月九日、重陽の節句にちなんで菊を模したお菓子を山の芋を使った薯蕷練切でおつくりしました。中は重陽のお供え物にもされる栗の餡です。
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折々に邪を払い無病息災を願う五節句の最後。古代中国の陰陽思想において陽の数(※)である奇数最大の9が重なる日なので「重陽」。菊の節句ともよばれ、菊酒や観菊で菊のもつ不老不死の力にあやかる習わしが

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