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お風呂に浸かりながら

私の好きな作家である、江國香織さんは大のお風呂好きだそう。
お風呂の中で本を読むこともあるそうです。

「お風呂の中で本!?」

本がふにゃふにゃにふやけたり、お風呂の中に本を落としてしまわないのかしら。
のぼせないのかしら。
そんな風に疑問を抱き、自分にはできそうにないと勝手に思っていました。

けれど最近、他の作家さんが、あるテレビ番組で「読書はお風呂のときや、電車の移動時間でしていますね」と言っているのを目にしました。

「この方も、お風呂の中で!」

思っていたよりも、お風呂に浸かりながら読書をすることは、難しいことではないのかもしれない。
「お風呂の中で読書」は、どこか優雅な印象があり、憧れないこともなかったので、ちょっとやってみることにしました。

いつも私は42度のお風呂に浸かるのですが、
のぼせそうだったので、40度にして半身浴にしました。
風呂場のドアを開けると、涼しいだけではなく、眼鏡も曇りません。
その傍にタオルと水の入ったグラスをのせたスツールを置きます。

お気に入りのスツールにタオルと透明のグラスが置いてあるのを見ると、
ホテルライクで気分が上がります。

いざ実際に、お風呂の中で読書。
たしかに少し本は濡れましたが、気にならない程度でしたし、
それよりも、思ってた以上に快適でした。
腰から下があたたかいお湯で包まれて、心地よいです。
たまに私が姿勢を変えるので、それに伴う水の音や、
紙を捲る音が風呂場に響きます。
たまに水分を補給して、至極リラックスできた時間でした。

お風呂場で読んでいたのは谷川俊太郎さんのエッセイ集、「ひとり暮らし」。
電車で読んでいる時よりも、集中できていたように思えます。
それは風呂場という、こじんまりとしたスペースで、リラックスしながら本と向き合えていたから。
谷川さんが書かれている「生」、「死」、「愛」や「日常」等を、自分の経験と重ね合わせたり、
この記述はどういうことかなあと、ぼんやり考えたり。
お風呂の中は、もともと自分の考えを整理する場でもあったので、本に関することをとりとめなく、考えるのも楽しいと思います。

このお風呂の中で読書をするのは、平日ではなく、時間をあまり気にすることのない、休日の前夜にやりたいです。のんびりと、風呂に浸かりながら本を読みたいですね。

それと欲を言えば、窓がついているお風呂場で、お昼や日がまだ出ている夕方に、いつか読書をしてみたい。
実家のお風呂は窓がついていて、日が出ているときにお風呂に入ると、風呂場の電気は必要ありませんでした。
自然光が曇りガラスをきらきらとさせて、ずっと見ていたいくらいに素敵な空間にさせます。

お風呂の中で読書。
自分だけではなくて、本とも向き合える時間。
肩肘を張る必要もなく、普段頑張っている自分へのご褒美時間になりそうです。


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