病院に行きたくない

 明日は朝から病院だ。主にリンパ節のしこりと発熱が長引いたので先週に病院を受診しており、明日は先週の採血の結果を聞きに行って、今週の経過も診てもらう予定だ。先週の時点でほぼウイルス性のもので間違いないでしょうと言われてから、少しは安心して過ごせている。と言えればよかったのだが。

 聞きたかったことが十分に聞けなかった、という一抹の不安がぐるぐる回る。もちろん問診や簡易的な血液検査の時点では、ウイルス性のリンパ節炎の確率が高いというのは事実なのだろう。ただ、医師から「大きくなってきたらまた考えればいい」と言われているように、その可能性は100%ではない。そして実際に、そうやって経過観察にされた結果悪性腫瘍その他大きな病気の発見が遅れた例は数知れない(だからこそ今の段階で紹介状を渡されたはずなのだ)。その上私が患っているのは不安障害ときた。私が不安で死にそうでないはずはないのである。

 私は自分の症状から考えうる病気をネットで調べ上げ、鑑別診断や検査項目まで大まかに頭に叩き込んでから大学病院を受診した。しかしされたのは触診と血液検査のみで、その追加の検査項目も罹患しているウイルスを特定しうるものだけだった。そりゃそうだ。まず年齢からして大病を患うような歳ではないし、私のような不安障害持ちでなければ「大丈夫やろ」で終わるような症状ばかりだ。でも少なくとも私にとっては、無理やり自分を安心させることしかなす術がなかった。

 そこまで調べているんだったら医師に質問すればいいじゃないか、という人もいるだろう。でも、過去のトラウマによって、「質問する」という自分の目標は半分も達成されなかった。症状は異なるが、私は以前にも万が一を疑って先生に追加の検査をお願いしたことが何度かあった(当時高校生の私では言いづらかったので母親に協力を仰いだ)。その度に医師からは「大丈夫と言ってるから大丈夫なんですよ。騒がないでくださいよ」と何度も嫌そうにされた。時には怒鳴られたこともあった。母親に嫌われ役を押し付けてしまったせいでいつも嫌味を言われるのは母親だった。ごめんよ。私が提案した追加の検査はせいぜい1つか2つだし、医師を手間取らせないように配慮しているつもりだったが、医師にも都合、あるいはプライドがあるのだろう。ただ、当事者は患者なのだ。検査することにデメリットがあるなら冷静にそれを伝えてほしかったが、それがうまく行った試しはほとんどない。

 明日もし何も問題がなければ、また経過観察で帰されるのだろうと思う。でも思い切って質問しない限り、私が不安から解放されることはないことも知っている。精神疾患でただでさえ心がボロボロなのに、さらに傷つけられるのが怖い。私はこのジレンマに勝つことができるのだろうか。次回、「ハラハラドキドキ診察室」。デュエルスタンバイ!


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