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すげー空くらーい。世界の終わりじゃーん。

木曜日は一日中、雨だった。気温も一気に下がって、外を歩く人はみんな上着を羽織っていた。夏が終わり秋になろうとしている10月のはじめ、雨のせいで一層暗く感じた午後五時すぎ、うっかり薄着をしてしまった私は肌寒さを感じながら、保育園から帰る子供らのお迎えに急いだ。ふと、すれ違ったカップルから会話が漏れて聞こえた。

すげー空くらーい。世界の終わりじゃーん。
世界終わるし、なんか美味しいもん食いこうぜ。

それは、とても他愛のない会話で、飾らないいつも通りを感じさせるやり取りだった。けれど、それがとても素敵だった。憂鬱を吹き飛ばす最高の会話だった。それは、雨上がりの虹ほどのものではないけれど、雨の音色がすこしキラキラ輝いて見えるような、そんな出会いだった。

そうだ。そうだよ。こんな世界の終わりみたいな夜には、美味しいものを食べよう。いつものようにくだらない話をしながら、美味しいものを一緒に食べよう。

ちょっとのネガティブもポジティブにかえる。毎日の楽しみ方を分かってるなぁと感動した、素敵な出来事でした。

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