心のマッサージ

マッサージに通うような感覚で、精神科やメンタルクリニックやカウンセリング、コーチングに通えるようになったら、世の中変わるんじゃないかと思っています。通う人の気持ち的にも、周りの目的にも、そうなったら。マッサージでピンとこない人は、歯医者の定期検診や、美容院で考えてもらってもいいかもしれません。

「あー最近身体が疲れてるなー」と感じたらマッサージに行く。そんな感覚で、「あー最近心が疲れてるなー」と感じたらクリニックに行く。すると心が整いスッキリしますし、定期的に通うようにすれば、何か心にしんどいことがあっても「次のクリニックの時に先生に話を聞いてもらおう」ということで、それはそれとして日々の仕事や生活を送ることができます。

そう思う理由は、何を隠そう、私が、それで超回復した人間のひとりだからです。実は今も現役で、月1回程のペースでメンタルクリニックに通っています。薬も服用しています。

先の記事で私は20年以上前に小児白血病の経験があると書きました。その後ずっと大きな病気はせずにやってきたのですが、社会人になった後、20代中頃から、ちょっと、いや、かなり、精神的におかしくなってしまったんです。自分でも訳の分からない状態になってしまい、自分は異常者になってしまったと思いながら3、4年を過ごしました。長年かけて築いた性格や人間関係も壊れていきました。一人暮らしでしたし、学生から社会人になり周りの人が総入れ替えになった後のことだったので、異変に気づいて貰えるようなこともなく、「そういう奴」だと思われながら、もうこの先どうやって生きていけば良いのか分からない状態でした。

転機は、本屋さんでたまたま目にとまった1冊の本でした。その本は、ある精神疾患をもつ筆者さんが自分の生活を描いた漫画で、普通の人が読んだら「何それ!?」と思ってしまうような日常が描かれたものでしたが、私はそれに対して「俺のことが描いてある!」と感じたのでした。その本のタイトルは『強迫性障害です!』というものでした。

その後「強迫性障害」についてGoogleで調べて、自分の症状は恐らくこの強迫性障害で、医学的に体系化されている病気であり、確立した治療法(大変そうでしたが)があるものだと知りました。

それだけでもだいぶ生きやすくはなったのですが、症状が改善するわけではなく、毎日起きている時間のうち6時間ほどを、強迫性障害との闘いに費やしていました。心身ともに擦り減ってギリギリの状態が続いていましたが、それでも自分が精神科(メンタルクリニック)に足を運ぶまでには、更に2、3年の月日がかかりました。というのも、精神科の治療、特に薬の服用に対して、怖いイメージがあったからです。

ひとつには、会社で強制的に受けさせられた産業医面談(精神科医との面談)で、とても嫌な思いをしてコンディションが非常に悪くなった経験がありました。また、『精神科医は今日も、やりたい放題』という本を読んだことがあり、それによる偏った怖いイメージを持っていたこともありました。「精神科に行って精神科の薬を飲むのは、薬で性格を変えるようなものだから、飲んだらもはや自分が自分でなくなる」的な思考を勝手に自分がしてしまっていた所もありました。

しかし、親しい友人へのカミングアウト、コーチングスクール(コーチやカウンセラーの技術を学ぶスクール)通い、コーチ(カウンセラー)への相談、実家の両親・弟へのカミングアウトというステップを経て、ようやく私は精神科(メンタルクリニック)に電話し、予約を取り、足を運ぶことができたのです。これはまだ1年も経っていない最近のことです。

社会人になって2回目の転職をして2ヶ月後ぐらいのことだったのですが、引き続き症状が仕事に影響を及ぼしている状況に限界を感じ、また、上のステップを踏んだことで「今ならいける」という精神状態にもなれていたことで、ようやく足を踏み出せました。

クリニックは、「強迫性障害」でぐぐって出てきた近隣のクリニックのうち、ホームページに書かれた「強迫性障害」の説明がしっくりきたクリニックを選びました。あと「働いている方でも通いやすいように、土曜日も診察しています」という説明書きがあったのも、大きかったかな。電話してみると、初診で土曜日の予約は最初少ししぶられましたが、こちらも少しゴリ押しして、待ち時間が長くなっても良いからということで、何とか予約を取らせて貰いました。

初診での先生とのお話。直前は緊張して逆にコンディションが悪くなったりもしてましたが、先生は一生懸命話を聞いてくれて、来てよかったと思いました。私の見立て通り、強迫性障害(かなり進行している)とのことでした。1番怖がっていた薬の服用についても、丁寧にご説明して頂けたことで、飲んでみようと思うことができました。薬については、その後も飲む量やタイミングなど、定期的にクリニックに通う中で細かく調整しながら、服薬を続けています。

強迫性障害は恐らく、綺麗さっぱりゼロになるような疾患ではありません。強迫性障害と闘うのではなく、自分の中にいる強迫性障害くんとうまく共存していくようなイメージで私は生きています。この共存の仕方が、めちゃくちゃうまくなったと思います。これは、服薬と、先生との定期的な会話(診察)によって得られたものだと思います。

私は医師でも薬剤師でもないので専門的なことは分かりませんが、専門家が歴史を通して築き上げてきた叡智の結晶である、治療法とお薬を、もうちょっと早く信じても良かったなあと今では思っています。

そして、きっと精神科に行けばグッと楽になれる、苦しんでいる人はたくさんいるだろうと思い、この記事を書きました。今はオンラインで受診できる精神科もたくさんありますので、調べるだけでも調べてみてください。怖い事件が発生するような精神科もどこかにあるのかもしれませんが、少数のはずです。先生との相性問題はあると思いますので、合わないと思ったら変えれば良いと思います。マッサージに通うような気楽な気持ちで、まずはお試しで、足を運んでみてはいかがでしょうか。

今回も読んでくださってありがとうございます^ ^

※私がどんな風に「異常者」だったかはこちら(旧ブログ)

https://takayuki1989.amebaownd.com/posts/7160105

※文中に登場した書籍『強迫性障害です!』はこちら

※本当は「こちら」をリンク文字にしたいのですが、うまくできず。。。スマホからはできないのでしょうか? やり方教えて下さる方がいたら嬉しいです!> <




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