20代後半女子 結婚適齢期の呪縛

私は20代後半女子。
今の選択で、この後の人生が大きく違ってくる。
そんなお年頃なのだと思う。

”結婚適齢期”という言葉自体もう古いけれど、いわゆる”結婚適齢期”と言われる年代なのだと思う。とはいえ、結婚しなくても幸せに生きていける時代でもある。ほんの30年前、私の母親世代であれば、結婚適齢期に結婚していないことは、生きづらかっただろうなと容易に想像できる。

それが幸せなのかどうかは置いておいて、みんながみんな20代で結婚することが基本であった時代は、"自分の意志"よりも、世間から冷ややかな目で見られないように、波風立てないように、悩みながらも、結婚をするという選択肢以外を考える人は少なかっただろう。女性であれば、仕事といえば結婚・家事・育児・パートが基本で、"何を選べば良いのか"ということで悩むことは今の時代より少なかったのではないかと思う。

”20代で結婚する”のが当たり前だった時代に比べ、今は選択肢がとても増えている。つまり、決められた道を進めば良かったひと昔前とは違い、自分で選択をしなければいけないということ。
これが案外、難しい。

年末年始に地元に帰省すると、青春時代を共に過ごした古い友人たちと会う機会が増える。それは、私にとっては、いわゆる結婚適齢期の女子の様子がありありと客観的に見える瞬間のひとつなのだ。

歳を重ねるにつれて、自分の足で動き、目で見て知ったもの、自分で考えたこと、感じたこと、新しい場所に一歩踏み出す度、そのストックがどんどん増えていく。それと共に人それぞれの”価値観”が変化していくのだと思う。
きっと、変化する前の価値観というのは、親や地元の友人、学校の先生たちの考え方で形成されたものだったと思う。

私は数年前に地元を離れている。
地元に帰省して今も地元に残っている昔からの友人達に会うと、"地元の価値観"というものをとても感じる。それは私が一歩踏み出して新しい世界を見る前の価値観。つまり、"親世代の価値観"とたいして変わらないのだと思う。

年末年始に久しぶりに会った友人Kちゃん。

彼女は最近結婚をした。

その前にKちゃんに会ったのは1年前。当時、転職を迷っていたKちゃんは、私のように地元を出て上京して新しい環境で仕事をしてみるということにも興味があるようだった。
ただ、お付き合いしている彼が地元の男性で、地元に残ってほしいと言われているから迷っている、と悩んでいた。

あれから1年。

彼女の選んだ道は、転職はせず、地元に残り、今の彼と結婚をすることだった。

正直、心の底からの「おめでとう」が言えなかった。

少し深く話を聞いてみると、
どうしても彼が良いというほどの強い気持ちからの結婚ではなく、もう良い歳だし、別れて次を見つけられるかも分からないから彼と結婚した。と。

私には、1年前の彼女の「自分を信じて少し挑戦してみたい」という想いが本当の彼女の想いに感じた。

経験のない不確かな「自分を信じてみる」という選択をするよりも、親や地元の友達も通ってきた道を選んだKちゃん。

なんだか、どこか物足りなさそうな、新婚さんなのに、「心の底から幸せです」とは言えていないような、そんな目をしているように私には見えてしまった。

とはいえ人生はいつからだって変えられるからね。
きっとKちゃんには、この経験が必要で、この道が最善だったのだと思う。
経験しなければ気付けないことがたくさんあるから。

Kちゃんに久しぶりに会って、世間の基準ではなく「自分の心に正直に」生きることが大切だと改めて感じたのでした。
決められた道や、自分の周りの多数派の価値観を採用することは”楽”だとは思う。正しいと言われた気がするし、認められた気がするし、なんだか上手くいっているように見られるし。
だけど、実際それが自分の本心とは違う選択であったら、必ず苦しくなる時がくる。
自分で選択することは、勇気もいるし、忍耐もいる。でも不思議と幸せな気持ちを感じると思うんだ。なぜなら私の心を無視しないでくれてありがとうって自分がとっても喜んでいるから。

どうか世の中の女性が結婚適齢期の呪縛から解放されますように。




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