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アラサー女子、マッターホルンを目指す②

グリンデルワルド1日目

グリンデルワルドは山の麓の街でとても牧歌的で穏やかであった。
それが何よりも心地よく、余計な心配(お金や残りの旅工程)をしなくていいのであれば1ヶ月くらい滞在したかった。

到着して1日目は街探索と次の日の準備の日とした。
晩御飯は外食はせずスーパーでアルコールとサラダと翌日のトレッキングに持っていく軽食を買った。
物価が高いこともあり安易に外食ができないことも確かだが、ここに来るまで計4食の機内食を食べており、ビーフORチキンも味が濃い洋食も食べたい気持ちにはなれなかったのが正直なところである。

ホテルは可愛らしくとても落ち着く空間であった。


しかし私たちは一瞬で自分たちの空間にしてしまう。
実は3人ともバックパックでスイスまできており、着替えも最低限。
1日目に早速浴槽に水を溜め、持ってきた個包装の洗濯洗剤を使い、"足踏み"というなんとも古式な方法で洗濯をし、部屋の端から端まで、これまた持参していた洗濯紐を張り巡らせ洗濯物を干した。

前半でも書いたが私たち3人の共通点はアメリカ横断を共にしており、その時のノウハウを活かし、恥じらいも躊躇いもなく効率的に洗濯を行なった。

おかげで可愛らしいお部屋はあっという間に雑多な空間となってしまった。
それでも移動続きで疲れた体は夜ぐっすりと眠ることができた。

グリンデルワルド2日目

2日目はグリンデルワルドで最も有名な山であるユングフラウに向かった。
厳密にはユングフラウヨッホという展望台に行った。ユングフラウ自体は4158mの山であり、頂上に行くのなんて無理なので展望台とその下にある『Top of Europe』というなんとも魅力的な響きの地点に行った。
そこまで行く為にはいくつかのルートで行けるのだが、私たちは登りは2020年12月に開通したばかりのアイガーエクスプレスというゴンドラに乗った。
これもコロナ前に出版された観光の本にはほとんど乗っておらず、現地についてから実態を掴んだ感じである。アイガーエクスプレスでアイガーグレッチャー駅に行き、そこから登山鉄道に乗り換えユングフラウヨッホへ行く。
ユングフラウヨッホ展望台はなんともエンターテイメントに長けており巨大スノードームがあったり、氷の宮殿があったりと、その地点が3571mと、富士山に迫る高さにあることを感じさせない作りであった。
カフェやレストラン、お土産屋、綺麗なトイレまで完備されていた。
氷の宮殿ではアナと雪の女王の『let it go』を熱唱したのは言うまでもない。


これもオフシーズンが成せる技。
そう、5月のスイスはオフシーズンなのだ。
オンシーズン(夏)には鉄道やゴンドラには行列必至で予約をしないと乗れないこともあるようだ。
オフシーズンで私たちが乗ったゴンドラは私たち3人しか乗っておらず、写真撮り放題、笑い放題、席移り放題なのだ。鉄道も必ず座ることができた。
展望台内はツアー客がまとまって来ると人の多さを感じたが、それ以外はちょうどいい賑わいという感じであった。

私たちはそこからの景色を存分に味わった。
まだ山は雪山で、展望台からの眼科には最後のスキーを楽しむ人も豆粒の大きさで見えた。


展望台を後にし、先程登山鉄道に乗り換えた、アイガーグレッチャー駅まで戻り、私たちはクライネシャイデックという鉄道の駅までの下山道を徒歩で下ることにした。
地面は雪に覆われているので最低限の登山の装備(特に靴)が必要だったのだが、私たちはそれを身につけていたのでトレッキングをすることにしたのだ。

その道がまたもや最高なのだ。
歩き始めた私たちの背中にはアイガー、メンヒ、ユングフラウの3山が常に在るのだ。『見える』という言葉では足りない存在感でそこに聳えていた。

しばらく歩くと(15分くらい)ここで休憩してしくださいと言わんばかりの絶好の場所に石でできたベンチがあり、私たちはそこで昼食を取ることにした。前日スーパーで買ったカップヌードルを持っていたのでタンブラーに入れたお湯を注いでそれを食べることに。しかし、お湯がもうぬるーくなっていた。でももう食べるものはそれしかないし、それをモチベーションにしていたところもあるので仕方なく3分待って食べることに。3分待っても柔らかくならない麺。でもこれを5分待っても結果は変わらないだろうし、むしろ悪くなるだろうと思い、気持ち程度柔らかくなったカップヌードルを啜った。
これが美味しいのだ。
絶対このシチュエーションでなければ『美味しい』と思うことはできなかったと思うが、お湯がぬるかったこと以外は絶好の環境が整っており、その環境が美味しくさせていたのだ。
正直いい意味で忘れられない味になった。


食べ終えると目的の駅に向けて再出発。
なんか歩いているだけで本当に楽しくて、誰もいないから歌だって歌い放題だし、ベタに『やっほー』って叫んだし、雄大な景色の中、忘れたくない、忘れたくない、今感じているもの全部覚えておけますようにって考えながら歩いていた。

忘れたくないと思わせるその要因は今時点ではわかっていないが、特別な時間であった。

そして目的のクライネシャイデックまで戻り、そこからは鉄道に乗ってグリンデルワルドに戻った。

そしてこの日。別のトレッキングコースに向かい、また山歩きをした。

まさかのトレッキングのハシゴ

またまたグリンデルワルドの別のゴンドラ乗り場からゴンドラに乗りグロッセシャイデック(1962m)という駅からバッハアルプゼ(2265m)という地点まで行き、ブリエンツ湖を見ることを目標とした。
ゴンドラに乗る時点で16時。正直時間との勝負。それに雲行きが怪しい。
山の天気は午後になると変わりやすいのだ。
私たち3人の中でここまで来て後悔したくないという気持ちが強く、ダメだったら引き返そうという考えで歩き始めた。

雪道をひたすた登り続けた。

と、言っても30分。やはり天気が怪しい。というか、ぎり雨粒感じてる?という感じになり、日暮れも早まるしということで潔く退散!
そして合計滞在時間1時間弱でゴンドラに乗り下り道へ。ゴンドラは3箇所の駅を経由して最初に乗った駅に戻るのだが、私たちは一駅分前に降りてまたもや歩いた。これが自画自賛で『Good choice』と自分たちを褒めたくなるくらい最高の散歩道だったのだ。

放牧された牛がカウベルを鳴らし、脇には小川が流れ、桜やたんぽぽの春の植物が生き生きと咲いていて、緑が青々しており、時間を知らせる教会の鐘が心地よくなっており、何度か『ここは天国かな?』と錯覚させられた。私の文章力では風景を伝えられないので写真を貼っておこう。

さあ、ここまで来てまだスイスの前半。
長くても前後編にするつもりが、、、
次回こそ最終回にします。




#わたしの旅行記

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