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夜は静かなばかり

 その日は極寒で、東北在住であるのは仕方ないとあきらめていたけれど、さすがにマイナス十度なんて聞いてない、という気持ちで帰宅した。誰も待っていないアパートの中はとても冷えていて、ちょっとした冷蔵庫だった。私はブーツの雪をはらって、床の上に足を置いた。ストッキング越しの床はありえんほど冷えていて、あ、張り付いた、と錯覚するくらいの痛みがつま先に走った。廊下をつま先立ちで駆け抜け、リビングのありとあら

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